「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第15話 [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]
はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
(コチラをクリックしていただければ・・・飛びますので・・)
また・・・画面左側のカテゴリーからもお入りいただけます・・・・
高1の秋編は・・・コチラ・・・からお読みください。
高1の冬編は・・・コチラ・・・からお読みください。
こっほん!
たびたび・・登場しますけど・・僕です。
もちろん・・・主役は僕以外の何者でもありません。さっき・・楽屋でそんな話をしたら・・・タコ殴りにされました。
悪たれ連の奴ら・・・暇を持て余して賭けトランプに興じていました。ったく・・・。
まあ・・・奴らも最近・・出番が少なくないか?とぼやいておりましたので、そろそろ・・・出てもらいたいと思います。そうでないと・・・出演拒否!なんてことが起こらないとも・・・まあ・・・強制的に出てもらいますけどね。
おや?舞台の袖では優子が・・早くしなさいよぉ~と時計を指さしています。
それでは・・・皆様。鎮守の森にやっと帰りついて一夜明けた・・僕の惨状?のあたりから・・・幕を開けたいと思います。僕たちが一番輝いていた時代・・昭和50年代へ・・・ご一緒にタ~イム・・スリップ・・・・・
「作戦会議のための・・・合宿だよな!」 5
鎮守の森の朝は早い。いつも学校へ行く時は、“遅刻ギリギリ”で行く僕なんだけど、この鎮守の森にある小さな神社に帰ってきたときは、僕は早起きうぃしなければならない。
毎朝のように、身を清めるために「神泉」を何杯も被り、“俗世間”から、半歩ほど神様に近づき、お仕えをする。
何故ならば、神様にお仕えする身でありながら、僕は“俗世間の垢”にド~ップリと言っていいほど浸かっているし、昨夜の営みの汗も洗い清めねば、神殿にあがることが出来ない。
今朝もいつものように・・・身を清めているのだが・・・・・
「ったくぅ~。関戸のおば・・痛ぇ~また、舌噛んじゃった。あのおばばの薬は効きすぎるんだよな。それでなくても・・・こっちは・・・」
ぶつぶつ言いながら・・・「神泉」を何杯も浴びている僕。まあ・・すっかりと言えばいいのだろうか?あっちの神様はどうやら僕の身体が居心地がいいのか?よく解らないけれど、ご降臨されっぱなしなのだから・・・生身のこっちの身体が溜まったもんじゃない。
「俺・・・きっと・・畳の上じゃ死ねないな・・・良くて腹上死だろうな・・・それか事故死だろ・・多分。」
そんな不届きなことを考えて、「神泉」を浴びていたものだから、“疲れきっているはず”の僕の僕自身はまたムクムクと起き出してきた。
「こ・・こらぁ・・・いいかげんにしろ!こちの身にもなれ!馬鹿っ!」
そのとき・・・お風呂場の引き戸がガラガラと開き・・・・優子が顔を出した。
「お早う!あなた。なに・・ぶつぶつ言っているの?」
「こ・・これ・・・見てよ!ったくぅ・・・関戸のおば・・痛ぇ~また噛んじゃった・・・あのオババの薬のせいか知らないけど・・・あ~ん!」
「こ・・困ったわね私は・・もうすぐ出勤だし・・・・そうだ!お祓いしてみたら?」
「効くと・・思う?」
「やってみないと・・解らないでしょ?だ・か・ら・・・あれほど邪念は捨てて無心にならないと・・って言ったのに」
「だよね・・・とにかく・・やってみる・・」
僕は風呂場のヒノキの床に正座をして、社殿の方向に向かい、祓詞を奏上することにした。
「掛(かけ)まくも畏(かしこ)き伊邪那岐大神(いざなぎのおほかみ)・・・・・諸諸(もろもろ)の禍事罪穢有(まがごとつみけがれあ)らむをば祓(はら)へ給(たま)ひ清(きよ)め給(たま)へと白(まを)す事(こと)を聞食(きこしめ)せと
恐(かしこ)み恐(かしこ)も白(まを)すぅ~」
すると・・僕の僕自身は、“元の形?”に戻ってゆくではないか・・やっぱり“邪念”を持っての「神泉」は僕にとっては“両刃の刃”になりかねない。
「お・・収まったみたい。」
「良かったわでも・・だんだん上手くなっていくみたい祓詞・・・」
「そう?まあ・・・あれだけ頭叩かれて覚えたからねえ~上手くなってもらわないと困るよ。そうだ“邪念”が復活しないように、さっさと上がろう」
「それがいいわお支度手伝うから・・・」
「うん。」
脱衣所に上がった僕の身体をテキパキと拭き上げていく優子。まあ・・看護婦だし手際はいい。
僕に白い着物を着せ、袴を履かせてゆく。
「そういえばさ・・・俺・・この衣装を初めて身に付けた時も優子だったよね。」
「うん。そうだったわねはい。・・・出来上がり!」
「ありがとう。じゃあ・・・朝のお勤めしてくる。」
「うんそうだ・・みんなは何時に来るの?」
「10時に集合しろって・・・言ってたけど・・・あっ!迎え頼むの忘れてた・・・・」
「まあ・・地区長が何とかしてくれるわ」
「そうか・・・じゃあ・・後で頼んで来よう・・・由香ちゃんが学校に行く前に・・・」
「あっ!ひとつ言い忘れてたわあなたが・・・最初に病院に“ピンクのうさぎさん”で来た時にオルガンを弾いていた女の子覚えている?」
「うん・・・あの子か・・・覚えている・・・いるけど何かあったの?」
「あの子ねえ。無事に昨日退院していったわ。」
「じゃあ・・・よくなったんだね・・・良かったぁ~」
「うん。ピンクのうさぎさんに“ありがとう”って伝えってって・・・」
「そう!じゃあ・・・また行こうかな。“お勉強の合間”に・・・」
「うん。」
僕は足袋をつけ社務所へいき、草履を履いて立てかけてある箒を掴んで、外に飛び出す。
社殿へのお供え物はミサとミミの朝のお勤め。僕の担当は境内の落ち葉集め。
この落ち葉は全て社殿の裏手で、鶏の糞と混ぜ、堆肥にするのだ。
それを畑に撒き、種や苗を植え、実った野菜類を僕たちが食べる。これを食物連鎖と言うのだろうか?
そこへ・・現れるのは・・関戸のオババではなく・・・おばちゃん。毎日、雨だろうが来る。来ない日は山に出かけては、薬草を摘んだりしているらしい。
「おお!精が出るなぁ~」
「あっ!関戸の・・おば・・痛ぃ~また噛んじゃったぁ~」
「よいよい・・クソババでもオババでもなんでも良い。」
「はい。お早うございます。オババ・・・」
「うん。お早う!どうじゃ・・あの薬は?早く・・・赤ん坊を見せておくれ!」
「は・・はぁ~そ・・そうだ。あの薬・・効きすぎですよ・・・おかげで・・・」
「それで・・そんなにやつれているのか?」
「まあ・・そんなところ・・」
「じゃあ・・・もうすぐ赤ん坊見られるな?」
「さ・・・さあ・・・それは・・・コウノトリが運んで来てくれないと・・・・」
「そうじゃ・・・これ!」
「今度は何の薬ですか?」
「頭の良くなる薬じゃわ・・・」
「副作用は・・ないですよね?」
「さあ~人にもよると思うが・・・お主の場合。よいか?一日3粒ずつ・・・毎日飲むんじゃぞ・・・」
「はあ~3粒・・1回・・・・で?成分は?」
「秘密じゃ・・・よいか?1日1回3粒・・・忘れるでないぞ・・・」
「そ・・そうだ・・お茶でも召し上がっていきませんか?ちょっと知恵を貸してもらいたいんで・・・」
「そうか・・・ではお茶をご馳走になって帰るとしようか・・・・」
僕は関戸の“オババ”を社務所へ案内して、奥へ怒鳴る。
「優子ぉ~関戸のオババにお茶ぁ~」
「はぁ~い」
ちょうど・・・その頃、僕の居る鎮守の森へ向かうべく・・・集結した社会関係奉仕部の面々・・・・
まあ・・・集結というのは、オーバーな話。前夜も赤沼クンの家で、“ブルーフィルム鑑賞会”をやって・・・
そのまま・・・全員でターミナル駅に向かってきたわけで・・・
まあ・・勝手に1日早く・・・「緊急合宿だから!」と各自荷物を抱え赤沼クンの家に集結したのだ。
何故、僕がそれを知っているか?と言うと、赤沼クンの家に電話したから・・解っていることなんだけど・・
「ふわぁ~眠い!」
「まあな,さっきまで・・・見てたもんな!」
「でもよ・・・本物のほうが・・やっぱいいよな!」
「うん。また行くか?トルコ・・・」
「いいねえ~」
「でさぁ~佐々木ぃ~。特急で行く?それとも・・・快速?」
「快速でいいじゃん。一眠りしねえと・・身体が持たないもん。」
「でもさ・・・部長が言ってたけど・・・マークが当てにならないとなるとやばいよな・・・・」
「ああ・・・しょうがないよ。・・・予想問題集があるだけヨシ!としなきゃな・・・」
「そうだ・・朝飯に弁当買っていこうぜ!」
「おう!」
僕以外の社会関係奉仕部。佐々木・赤沼・佐伯・Y・S・白○に青○・大岩・山口・遠藤・岡崎総勢11名は、お前らこんなに喰うのか?と言うだけの駅弁にお菓子・ジュースを仕入れて始発の快速列車に乗り込んだ。
その頃、僕は必死に関戸のオババに協力を要請し、強力な漢方薬のお酒を頼んでいた。
もちろん・・・強力な強壮剤ではなく、強力な下剤効果の薬草で作ってもらうことを頼んでいたのだ。
「まあ・・お主の言い分はよく解ったわ・・・いいじゃろう・・・特製のを作ってやる。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「しかし・・優子ちゃんはお主が帰ってくると別嬪さんになるからのぉ~」
「やだぁ~おばちゃん。」
「早く・・赤ん坊の顔を見せておくれ・・・このオババにな・・いいな!」
「が・・・頑張ります。」
「ばかぁ~何言っているのよ・・・もう」 顔を真っ赤にして怒鳴る優子・・・
「よいよい・・・それでいいんじゃ・・旦那が精の付くものを沢山食べて、オババの薬を飲んで・・頑張ってもらえば・・・いい赤ん坊が生まれるでのぉ~」 そこへ・・地区長と由香ちゃん2号がやってきた。
「おはよう!神主のお兄ちゃん。」
「はい。由香ちゃんお早う・・・それに地区長お早うございます。」
「おお!お早う。」
「ねえ・・お兄ちゃん!」
「何だい。由香ちゃん?」
「白○のお兄ちゃんも来るの?」
「もちろん。来週の水曜日までいるからね・・」
「やったぁ~一杯遊んでもらおう!ところで・・・優子お姉ちゃん・・何で顔赤くしているの?」
「さあねえ~お姉ちゃんに聞いてみればいいじゃん。・・・・い・・痛いよぉ~優子ぉ~ 」 僕は思い切り優子に抓られたのだ。
「ねえ・・お兄ちゃん。何で今抓られたの?」
「あ・・あのね・・」
「優子ちゃんお早う。覚えておいたほうがいいわ。“口は災いの元ってね”。お兄ちゃんはお仕置きされたの・・」
「そうなんだ・・神主のお兄ちゃんでもされるんだ・・へぇ~お兄ちゃんまだ痛い?」
「うん・・思い切りよく抓られたからね・・・」
「じゃあ・・あたしが治してあげる・・・痛いの痛いの・・飛んで行け~。治った?お兄ちゃん。」
「うん。ありがとう。治った・・・ほら・・・」 僕もう何でもないよとばかりに腕を廻して見せた。
「なあ・・赤ん坊はまだなのか?」
「ち・地区長までもですか・・・・」
「いや・・村人全員が待っているんだが・・・」
「ど・・どうですかね・・・コウノトリを見つけてこないと・・・」
「何じゃ・・その様子ではまだなのか・・・そうじゃ・・関戸の・・・あの薬作ってやったらどうじゃ・・・」
「あれか・・・そうじゃな・・そうしよう・・・」
「えっ???・・あ・・あのぉ~・・・じ・・・自力で・・・なんとか・・・」
「何とかなるのか?」
「やだぁ地区長まで・・・」
「ねえ~おじいちゃん。コウノトリってどこに居るの?」
「さあなぁ~きっと・・・色んなところに行って忙しいんじゃろ・・・そのうちここにも来るじゃろ・・なあ?」
「そ・・そうだといいんですけど・・・」
赤面する僕と優子以外、社務所は笑いの渦に巻き込まれていった・・・・
「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第16話へ・・・続く・・・
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もちろん・・・主役は僕以外の何者でもありません。さっき・・楽屋でそんな話をしたら・・・タコ殴りにされました。
悪たれ連の奴ら・・・暇を持て余して賭けトランプに興じていました。ったく・・・。
まあ・・・奴らも最近・・出番が少なくないか?とぼやいておりましたので、そろそろ・・・出てもらいたいと思います。そうでないと・・・出演拒否!なんてことが起こらないとも・・・まあ・・・強制的に出てもらいますけどね。
おや?舞台の袖では優子が・・早くしなさいよぉ~と時計を指さしています。
それでは・・・皆様。鎮守の森にやっと帰りついて一夜明けた・・僕の惨状?のあたりから・・・幕を開けたいと思います。僕たちが一番輝いていた時代・・昭和50年代へ・・・ご一緒にタ~イム・・スリップ・・・・・
「作戦会議のための・・・合宿だよな!」 5
鎮守の森の朝は早い。いつも学校へ行く時は、“遅刻ギリギリ”で行く僕なんだけど、この鎮守の森にある小さな神社に帰ってきたときは、僕は早起きうぃしなければならない。
毎朝のように、身を清めるために「神泉」を何杯も被り、“俗世間”から、半歩ほど神様に近づき、お仕えをする。
何故ならば、神様にお仕えする身でありながら、僕は“俗世間の垢”にド~ップリと言っていいほど浸かっているし、昨夜の営みの汗も洗い清めねば、神殿にあがることが出来ない。
今朝もいつものように・・・身を清めているのだが・・・・・
「ったくぅ~。関戸のおば・・痛ぇ~また、舌噛んじゃった。あのおばばの薬は効きすぎるんだよな。それでなくても・・・こっちは・・・」
ぶつぶつ言いながら・・・「神泉」を何杯も浴びている僕。まあ・・すっかりと言えばいいのだろうか?あっちの神様はどうやら僕の身体が居心地がいいのか?よく解らないけれど、ご降臨されっぱなしなのだから・・・生身のこっちの身体が溜まったもんじゃない。
「俺・・・きっと・・畳の上じゃ死ねないな・・・良くて腹上死だろうな・・・それか事故死だろ・・多分。」
そんな不届きなことを考えて、「神泉」を浴びていたものだから、“疲れきっているはず”の僕の僕自身はまたムクムクと起き出してきた。
「こ・・こらぁ・・・いいかげんにしろ!こちの身にもなれ!馬鹿っ!」
そのとき・・・お風呂場の引き戸がガラガラと開き・・・・優子が顔を出した。
「お早う!あなた。なに・・ぶつぶつ言っているの?」
「こ・・これ・・・見てよ!ったくぅ・・・関戸のおば・・痛ぇ~また噛んじゃった・・・あのオババの薬のせいか知らないけど・・・あ~ん!」
「こ・・困ったわね私は・・もうすぐ出勤だし・・・・そうだ!お祓いしてみたら?」
「効くと・・思う?」
「やってみないと・・解らないでしょ?だ・か・ら・・・あれほど邪念は捨てて無心にならないと・・って言ったのに」
「だよね・・・とにかく・・やってみる・・」
僕は風呂場のヒノキの床に正座をして、社殿の方向に向かい、祓詞を奏上することにした。
「掛(かけ)まくも畏(かしこ)き伊邪那岐大神(いざなぎのおほかみ)・・・・・諸諸(もろもろ)の禍事罪穢有(まがごとつみけがれあ)らむをば祓(はら)へ給(たま)ひ清(きよ)め給(たま)へと白(まを)す事(こと)を聞食(きこしめ)せと
恐(かしこ)み恐(かしこ)も白(まを)すぅ~」
すると・・僕の僕自身は、“元の形?”に戻ってゆくではないか・・やっぱり“邪念”を持っての「神泉」は僕にとっては“両刃の刃”になりかねない。
「お・・収まったみたい。」
「良かったわでも・・だんだん上手くなっていくみたい祓詞・・・」
「そう?まあ・・・あれだけ頭叩かれて覚えたからねえ~上手くなってもらわないと困るよ。そうだ“邪念”が復活しないように、さっさと上がろう」
「それがいいわお支度手伝うから・・・」
「うん。」
脱衣所に上がった僕の身体をテキパキと拭き上げていく優子。まあ・・看護婦だし手際はいい。
僕に白い着物を着せ、袴を履かせてゆく。
「そういえばさ・・・俺・・この衣装を初めて身に付けた時も優子だったよね。」
「うん。そうだったわねはい。・・・出来上がり!」
「ありがとう。じゃあ・・・朝のお勤めしてくる。」
「うんそうだ・・みんなは何時に来るの?」
「10時に集合しろって・・・言ってたけど・・・あっ!迎え頼むの忘れてた・・・・」
「まあ・・地区長が何とかしてくれるわ」
「そうか・・・じゃあ・・後で頼んで来よう・・・由香ちゃんが学校に行く前に・・・」
「あっ!ひとつ言い忘れてたわあなたが・・・最初に病院に“ピンクのうさぎさん”で来た時にオルガンを弾いていた女の子覚えている?」
「うん・・・あの子か・・・覚えている・・・いるけど何かあったの?」
「あの子ねえ。無事に昨日退院していったわ。」
「じゃあ・・・よくなったんだね・・・良かったぁ~」
「うん。ピンクのうさぎさんに“ありがとう”って伝えってって・・・」
「そう!じゃあ・・・また行こうかな。“お勉強の合間”に・・・」
「うん。」
僕は足袋をつけ社務所へいき、草履を履いて立てかけてある箒を掴んで、外に飛び出す。
社殿へのお供え物はミサとミミの朝のお勤め。僕の担当は境内の落ち葉集め。
この落ち葉は全て社殿の裏手で、鶏の糞と混ぜ、堆肥にするのだ。
それを畑に撒き、種や苗を植え、実った野菜類を僕たちが食べる。これを食物連鎖と言うのだろうか?
そこへ・・現れるのは・・関戸のオババではなく・・・おばちゃん。毎日、雨だろうが来る。来ない日は山に出かけては、薬草を摘んだりしているらしい。
「おお!精が出るなぁ~」
「あっ!関戸の・・おば・・痛ぃ~また噛んじゃったぁ~」
「よいよい・・クソババでもオババでもなんでも良い。」
「はい。お早うございます。オババ・・・」
「うん。お早う!どうじゃ・・あの薬は?早く・・・赤ん坊を見せておくれ!」
「は・・はぁ~そ・・そうだ。あの薬・・効きすぎですよ・・・おかげで・・・」
「それで・・そんなにやつれているのか?」
「まあ・・そんなところ・・」
「じゃあ・・・もうすぐ赤ん坊見られるな?」
「さ・・・さあ・・・それは・・・コウノトリが運んで来てくれないと・・・・」
「そうじゃ・・・これ!」
「今度は何の薬ですか?」
「頭の良くなる薬じゃわ・・・」
「副作用は・・ないですよね?」
「さあ~人にもよると思うが・・・お主の場合。よいか?一日3粒ずつ・・・毎日飲むんじゃぞ・・・」
「はあ~3粒・・1回・・・・で?成分は?」
「秘密じゃ・・・よいか?1日1回3粒・・・忘れるでないぞ・・・」
「そ・・そうだ・・お茶でも召し上がっていきませんか?ちょっと知恵を貸してもらいたいんで・・・」
「そうか・・・ではお茶をご馳走になって帰るとしようか・・・・」
僕は関戸の“オババ”を社務所へ案内して、奥へ怒鳴る。
「優子ぉ~関戸のオババにお茶ぁ~」
「はぁ~い」
ちょうど・・・その頃、僕の居る鎮守の森へ向かうべく・・・集結した社会関係奉仕部の面々・・・・
まあ・・・集結というのは、オーバーな話。前夜も赤沼クンの家で、“ブルーフィルム鑑賞会”をやって・・・
そのまま・・・全員でターミナル駅に向かってきたわけで・・・
まあ・・勝手に1日早く・・・「緊急合宿だから!」と各自荷物を抱え赤沼クンの家に集結したのだ。
何故、僕がそれを知っているか?と言うと、赤沼クンの家に電話したから・・解っていることなんだけど・・
「ふわぁ~眠い!」
「まあな,さっきまで・・・見てたもんな!」
「でもよ・・・本物のほうが・・やっぱいいよな!」
「うん。また行くか?トルコ・・・」
「いいねえ~」
「でさぁ~佐々木ぃ~。特急で行く?それとも・・・快速?」
「快速でいいじゃん。一眠りしねえと・・身体が持たないもん。」
「でもさ・・・部長が言ってたけど・・・マークが当てにならないとなるとやばいよな・・・・」
「ああ・・・しょうがないよ。・・・予想問題集があるだけヨシ!としなきゃな・・・」
「そうだ・・朝飯に弁当買っていこうぜ!」
「おう!」
僕以外の社会関係奉仕部。佐々木・赤沼・佐伯・Y・S・白○に青○・大岩・山口・遠藤・岡崎総勢11名は、お前らこんなに喰うのか?と言うだけの駅弁にお菓子・ジュースを仕入れて始発の快速列車に乗り込んだ。
その頃、僕は必死に関戸のオババに協力を要請し、強力な漢方薬のお酒を頼んでいた。
もちろん・・・強力な強壮剤ではなく、強力な下剤効果の薬草で作ってもらうことを頼んでいたのだ。
「まあ・・お主の言い分はよく解ったわ・・・いいじゃろう・・・特製のを作ってやる。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「しかし・・優子ちゃんはお主が帰ってくると別嬪さんになるからのぉ~」
「やだぁ~おばちゃん。」
「早く・・赤ん坊の顔を見せておくれ・・・このオババにな・・いいな!」
「が・・・頑張ります。」
「ばかぁ~何言っているのよ・・・もう」 顔を真っ赤にして怒鳴る優子・・・
「よいよい・・・それでいいんじゃ・・旦那が精の付くものを沢山食べて、オババの薬を飲んで・・頑張ってもらえば・・・いい赤ん坊が生まれるでのぉ~」 そこへ・・地区長と由香ちゃん2号がやってきた。
「おはよう!神主のお兄ちゃん。」
「はい。由香ちゃんお早う・・・それに地区長お早うございます。」
「おお!お早う。」
「ねえ・・お兄ちゃん!」
「何だい。由香ちゃん?」
「白○のお兄ちゃんも来るの?」
「もちろん。来週の水曜日までいるからね・・」
「やったぁ~一杯遊んでもらおう!ところで・・・優子お姉ちゃん・・何で顔赤くしているの?」
「さあねえ~お姉ちゃんに聞いてみればいいじゃん。・・・・い・・痛いよぉ~優子ぉ~ 」 僕は思い切り優子に抓られたのだ。
「ねえ・・お兄ちゃん。何で今抓られたの?」
「あ・・あのね・・」
「優子ちゃんお早う。覚えておいたほうがいいわ。“口は災いの元ってね”。お兄ちゃんはお仕置きされたの・・」
「そうなんだ・・神主のお兄ちゃんでもされるんだ・・へぇ~お兄ちゃんまだ痛い?」
「うん・・思い切りよく抓られたからね・・・」
「じゃあ・・あたしが治してあげる・・・痛いの痛いの・・飛んで行け~。治った?お兄ちゃん。」
「うん。ありがとう。治った・・・ほら・・・」 僕もう何でもないよとばかりに腕を廻して見せた。
「なあ・・赤ん坊はまだなのか?」
「ち・地区長までもですか・・・・」
「いや・・村人全員が待っているんだが・・・」
「ど・・どうですかね・・・コウノトリを見つけてこないと・・・」
「何じゃ・・その様子ではまだなのか・・・そうじゃ・・関戸の・・・あの薬作ってやったらどうじゃ・・・」
「あれか・・・そうじゃな・・そうしよう・・・」
「えっ???・・あ・・あのぉ~・・・じ・・・自力で・・・なんとか・・・」
「何とかなるのか?」
「やだぁ地区長まで・・・」
「ねえ~おじいちゃん。コウノトリってどこに居るの?」
「さあなぁ~きっと・・・色んなところに行って忙しいんじゃろ・・・そのうちここにも来るじゃろ・・なあ?」
「そ・・そうだといいんですけど・・・」
赤面する僕と優子以外、社務所は笑いの渦に巻き込まれていった・・・・
「僕たちの・・・鬼クマ退治」 第16話へ・・・続く・・・
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