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オストド&メストド1号「弾丸トラベル&究極のリゾート?な旅」 第6章     [2009・9月・シンガポール&バリの旅]

二度と来るかぁ~シンガポール!と爆発したんだけど・・・

「くそぉ~二度と来るかぁ~シンガポール!」
「まあまあ・・いいじゃない。死刑よりは・・・」
「そりゃそうだけど・・・今までこんなのあったか?そもそも・・免税品店でタバコ扱わせているくせに・・・」

到着ロビーを出てすぐ。灰皿のある所でふんぞり返って2重に税金を取られているタバコに火を点けながら喚くオストドの姿がそこにあった。

「くそぉ~こんなことなら・・・“偽装”してやれば良かった」
「偽装?」
「そう・・例えば・・ゴディバのチョコを数箱持ち込んでその中の一箱にタバコを仕込んでおくとか・・・」
「バレたら死刑か罰金1万シンガポールドルよ・・・」
「けっ!死刑でもなんでもしてみやがれ・・畜生!大体・・政府系ファンドがリーマン債権売るからこんなことになるんだ。」
「それとこれとは・・・・」
「いいや・・違わない。香港は一部被害を弁済しているらしいじゃん!シンガポールの人々も相当被害受けているから、こんなもん作りやがって・・・大体、日本の免税店に張り紙もなかったじゃん!」

そいいいながら・・税関でわたされた“税関手続きの手引き”1冊を破り捨てるオストド。
何回もシンガポールに呆れるほど入国しているのだが、今までタバコで税金を取られた事が無い。
ましてや、タバコは麻薬扱いで死刑とは、“恐れ入谷のクソッタレ!”と言いたくなる。

「何が・・自由貿易港だ!クソ!ブランド物で税金をがっぽり取りやがれってんだ・・・・」

オストドの怒りは止まらない。メストド1号は宥める様に、吸い終われば、「はいどーぞ!」とばかりに、タバコを差し出す。

「でも・・・17箱しか税金はらってないじゃない・・・」
「だって・・・17箱だったでしょ?」
「本当はねえ~もう1カートンあったの・・・・」
「へっ?」

話は到着時に遡るとする。
機内で爆睡していたので、シンガポールの入国書類を貰い損ね書いていない。まあ、入国ブースに行けば、日本語のものが置いてあるので、そこで書けば済む。この時、並ぶ列を間違えたのも敗因のひとつ。
空いている列にならんだのだが、それがそもそもの間違い。大きな落とし穴に足を踏み入れた瞬間だった。
まあ・・“お得意様”である日本人だから、トランジットだろうが、何だろうが事務的にさっさと処理してくれる。
ただし、“歓迎されない国”の人間たちの入国には、時間を要する。迂闊にもその列に並んでしまったのだ。
やっと入国して、荷物を引き取りさっさとグリーンチャンネルから出ようとしたところで、“御用”になったのだ。

「シガレット?」

なんだ?タバコが欲しいのか?一箱くらいならくれてやるが・・・そう思い・・・

「イエス!」
「じゃあ・・こっちへ来い!」
「はぁ?」
「ここに・・荷物乗っけて・・・」

また・・エックス線検査かよ!と思いながらも、言われれば乗っけるしかない。
そのとき渡されたのが、日本語版の税関手続きの手引き。

「は・・はぁぁぁぁぁぁ~」

オストドの絶叫が当たり一面に響き渡る。

「罰金1万ドルまたは投獄ぅ~タバコは麻薬かよぉ~死刑だぁ~ふ・・ふざんけんなボケェ~」
「ユーは知っていたか?」
「知る訳ねえだろボケぇ~」
「そうかじゃあ・・・故意ではなく過失だな・・あそこにオフィスあるからTAX払っておいで・・・・」

まあ・・TAXをはらわなければならないらしい。

「ちっ!しょうがねえなぁ~」
「何箱持ってる?」
「7箱とデュティーフリーで買った奴・・・・」
「シンンガポールでは、タバコは免税扱いにならない・・・」
「へっ?じゃぁ~売ってるんじゃねえ~ボケェ~」

相手が日本語を理解していない事に笑顔で暴言を吐くオストド。
まあ・・税金と言う名の罰金を払えば、持ち込みもOKだし、吸える権利を買え!と言うのだろう。

「畜生!2度と入国しねえからな・・こんな国。」そう言いながら・・・カスタマーオフィスへ行く。

「税金払え!って言うからきたんだけどな!」
「カム・イン!」
「あのねぇ~こっちは日本で税金払っているんだけど・・・」
「ここはシンガポールだ!日本のTAXは関係ない!」
「そうかい!じゃあ・・・さっさと計算しろ!ボケ!」
「お前・・日本人だな!」
「だから・・・日本でTAX払ったって言ってんだろう!オタンコナス!」
「まあ・・これ読んで!」

渡された紙には、保税について書かれてあった。つまり4ドルなにがしか払えば、保税措置が取られ保管しておいてくれるらしい。その時メストド1号が、預け入れ荷物に入れてあったタバコを思い出せばよかったのだ。
そうすれば・・・一箱あたり500円以上もTAXを取られることなく・・・税関で預かって貰えば良かったのだ。
だが、出国時はターミナルが違うし、朝も早い。それに面倒な手続きはご免被る。

「面倒だから税金はらってやるよ!払えばいいんだろう・・・・」

これは正解であったのだ。シンガポールの街の中では、タバコは一箱最低800円以上する。
ヘビーのオストドだったら、何箱買うか解らない。
税金を納入してレシートを受け取り、それをヒラヒラさせ、女性税関係員の横を通りすぎようとしたら、

「ウエルカム!シンガポール!」
「サンキュー。不自由港シンガポールへようこそ!ってか・・・・」

そう言いながら通り過ぎる。オストドと黙ってくっついて歩いているメストド1号。

「ああ・・癪にさわる!一服しなきゃ・・・・」
「はいはい・・・」

そんな訳で巻頭の会話になったのだ。別にシンガポール政府に対して文句を言う訳ではない。言う訳でもないけど、航空会社のwebサイトにはそう書いておいてほしかっただけだ・・・・

「畜生!二度と来ねえからな!シンガポール」

そうぶつぶつつぶやきながら・・・タクシー乗り場へゆく。

「サーどちらへ?」
「ヒルトン!」
「はぁ・・・もう一度・・・」
「ヒルトン!オーチャードロード!」

タクシーはもはや朝のラッシュアワーを過ぎているはずのシンガポール市内。それなのに至るところで渋滞。

「くそ!二度と来ねえからな!シンガポール!」

オストドの怒りは収まらない。やっとヒルトンホテルへ到着。メーターが3個付いている。1個はETCみたいなもので、その時間帯ここを抜けるといくら加算しますよ!と言うシンガポールのシステム。これが3ドルを表示している。まあ、高速道路代はタダだし、都市部への乗り入れ代だから、オストドも文句は言わない。その他に基本2ドル80セントからどんどんメーターが上がってゆく。これは日本のタクシーと同じ。ただ解せないメーターが9ドル20セント。これはきっと空港での待機料とかなのかもしれない。トータルで44ドルほどになる。
まあ、旅行社の送迎車とか、リムジンサービスより安いので、文句は言わない。50ドル紙幣を1枚差し出し、

「チャージオブユアーズ!」と言って降りる。

まあ・・車中散々シンガポールの悪口を聞かせたわけだから、15%くらいのチップは必要だろう。
ポーターにヒルトンオーナーズカード(一応・・・ゴールドなんで・・・)を見せると。専用チェックインカウンターへ案内される。

「ミスターオストド。いらっしゃいませ!既にお部屋の準備は出来ております。スモーキングでダブルで宜しいんですね?」
「そう・・・・スモーキング取れるならね・・・」
「ちゃんとリクエスト通り、ご用意させていただいております。ラウンジは22階ですから・・・」
「サンキュー」

オストドがヒルトンを利用し続けるのは、ここにあるのだ。到着フライトを告げておけば、最悪自体がなければ部屋は用意されているし、最悪でもラウンジでお茶を頂きながら待つ事が出来る。
ポーターにへやに案内されてゆく。
今日の予定は全くと言っていいほどない。まあ・・夜に中華街にMRTで出かけて、タクシーでナイトサファリにでも行くつもりだったのだが・・・・
ポーター氏に2ドル紙幣を2枚握らせ、お引き取りいただく。そうでなきゃ・・・部屋の説明等しかねない恐れがある。

「サー後ほどニュースペーパーをお持ちします。」

お持ちしますって・・ココにあるけど・・・英字新聞!そう突っ込みたいところだったが、もはやHP(体力9はほぼゼロに近い。

「まあ・・・さすがシンガポールのヒルトンだわ・・・」

通常のチェックインは15時。いくら早くても12時にチェックイン出来ればいいとおもっていたのだが、このちょっとした心遣いが嬉しいものだ。

「私・・先にシャワー浴びていいかしら?」
「どうぞ!俺・・・ラウンジ覗いてくるから・・・」

メストド1号がバスルームへ消えると、カードキーを1枚持ってラウンジへ向かう。
誰でもアクセス出来るヅロアーではない。スモーキング指定のため、エグゼクティブフロアーのアサインではなかったので、ラウンジアクセス権の確認に行ったのだ。そうでなきゃ・・・朝ごはんの心配をしなければならない。

「点けよ!コノヤロー!」

カードキーを差し込み、ラウンジフロアーのボタンを押す。そのカードキーでエントリー出来るフロアーは決まっているのだ。ラウンジを覗くと、愛想のいいマネージャー挌がすぐやってくる。

「サー何かご用は?」
「コーヒー飲みたいんだけどね・・・いいかな?」
「もちろんでございます・・・こちらにサインを・・・」
「サインならしたけど・・・・」
「ご朝食は召しあがりましたか?まだのようでしたら・・・・」
「まだいいの?」
「はい。10時まででございます。サーが来られると思いましたので、お席をご用意してありますが、そうそう・・奥さまは?」
「ああ・・今頃、バスタイム!かな・・・」
「奥さまは宜しいんですか?」
「いいんじゃない・・・彼女は食事より睡眠派だからね」
「じゃあ・・・こちらへどうぞ!」

折角の御好意である。多分、フロントからオストド&メストド1号のチェックインの知らせが入ったのだろう。
お皿にサラダ・スモークサーモン・ベーコンそれにクロワッサンを2個。オレンジかと思ったらマンゴージュースを一杯。

「サーコーヒーで宜しいんですか?エスプレッソ?それともブレンド?」
「エスプレッソは好きじゃないんで・・・」
「畏まりました。すぐにお持ちいたします。」

まあ・・喰え!と言うのだから喰えるときに喰う流儀。多分、昼飯は抜きになるはず。そう思いながら、最低限のテーブルマナーで朝食を摂っているいると、・・・

「サーお代りはいかがですか?」
「いや・・・もういいよ!」
「デザートやフルーツ。ヨーグルトもご用意してありますが・・・」
「いや・・もう充分。これからちょっと眠らなきゃ・・・・」
「そうですか・・・後ほど、奥様とティータイムにお越しください!」
「ありがとう!」

部屋に戻るとドアの前に衛星版の朝日新聞が置いてあった。ドアノブには、“起こさないで!”とぶら下げてあったので、ドアのところに置いてあったのだろう。

「けっ!読みたくもない記事だな!」

そういいながら部屋へ入ると、丁度メストド1号がバスルームから出てきた。

「遅かったわねえ~」
「うん。ラウンジで朝飯食えって言うから・・・・・」
「自分だけ食べてきたのね?」
「そう・・・10時までだもの・・・だから。シャワーに入る前誘ったでしょ!」
「まあ・・いいか!格別なものあった?」
「いつものヒルトン・・・」
「じゃあ・・いいわ!後でティータイム行くでしょ?」
「うん。マネージャーが奥さまとご一緒にって言ってた!俺もシャワーに入って寝る!こんなくそったれ記事の新聞観ちゃったから・・・・」

そう言いながらメストド1号に新聞を渡し、バスルームに消える。何しろ日本時間で言えばもう12時に近い。
延々29時間以上もベッドに潜り込んでいない計算になる。さっさとシャワーを浴び、洗うべきところを洗い、さっさとバスローブを纏う。いつもは眠るために飲む薬も今回はいらない。


(このお部屋・・コネクティング仕様になります)


(お昼寝の間にカードが入っていたので、持ってきてもらったウエルカムフルーツ)


(お部屋の中からのシンガポールの街並み)

まあ・・・このマネージャー氏とホテル側の対応が良かったおかげで・・・「二度と来るか!」の怒りは半減したのだ。睡眠不足はお肌にも悪いけど、精神状態にも悪いらしい。それに・・・税金も・・・・・

「まあ・・教訓になったとして少しお昼寝するでしょ?」
「うん。その方が良さそうだね・・・・」

部屋のカーテンを締め切り、ドアの施錠を確認してベッドへ潜り込む。瞬く間にそれから5時間ほどのお昼寝は続いたのだった。

第7章 優雅なティータイム&中華街へ・・・へ続く。




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コメント 2

空飛ぶ食欲魔人

ほりけん様
早速のご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-09-30 18:37) 

空飛ぶ食欲魔人

xml xsl様
いつもご訪問&Niceありがとうございます!
by 空飛ぶ食欲魔人 (2009-10-01 08:17) 

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