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マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ② [2011 台北の旅]

― 第二章 喰わせないと・・・ ―

「喰う・・喰える時・・・喰えば・・喰う!」

「だって・・離陸したらすぐ機内食でしょ?」

「喰わせないと・・暴れるか、その辺のグランドスタッフか?さもなきゃCAに喰らいつくぞ!」

「犯罪者にしたくないわねえ~」

「でしょ?止めてもムダ!」

「一服とどっちが先?」

「喰う方!何せ・・食欲魔人だからね・・・」

それでも、一応・・・そう一応、自重はした。そばコーナーに突進して、かき揚げそばを注文し、

出来上がりを待つ間に、鮭のおにぎりを2個と梅のおにぎりを1個。それにサンドイッチを2包み。

コーラにレモンスライスを浮かべ、ついでにビタミンCを補充するかとトマトジュースを一杯。

おまけに薬を飲まなければいけないのを思い出し、ポカリスエットを一杯。

「そんくらいで止めとかなきゃ!機内食で今日のごはん終わりにするからね!」

「ウィ!マダム。」

メストド1号も何やらスープだのサンドイッチにチョコレート、コーヒーなんぞを頂いている。

さっさと喰い終わったオストドは、メストド1号のお皿に残っているサンドイッチを見つめ、

ついでに懇願の視線を送ったのだが、どうも分が悪い。

自分のトレーを片付け、ついでにメストド1号が食し終ったトレーを片付ける。

「うん。優しい旦那でしょ?」

「自分で言うかなぁ~」

「誰も言ってくれないしね・・・」

「じゃあ!あとジュース1杯だけね!」

労働には対価がつきものである。空いた食器を載せたトレーを運んで、ジュース一杯。

安いと考えるべきなのか?高いと考えるべきなのか?は、メンドーなので考えずに、

ジュースをこぼれる寸前まで入れたグラスを飲み干すと、離陸前の儀式?のために、

スモーキングルームへ向かう。

「やけに狭い・・・・」

「成田とどっちが狭い?」

「こっち・・・」

とりあえず、ニコチンを摂取できるだけしておく。まあ、“おしゃぶり”は今回の旅のお伴をしている。

煙は出ないけど、ニコチンだけは摂取出来る。“優れモノ”を持ってきている。

「ったく・・・みっともないでしょ?」

「人には迷惑かけないし・・・電子タバコじゃないもんね!禁煙パイポみたいななものかな・・・」

「屁理屈ばかり・・・」

「大体さぁ~化粧品・・特に香水なんかも本人・・・」

「はいはい・・・」

「ついでに言わせてもらうとね・・タバコ吸っても暴れないけど、お酒は・・・」

「いいから・・おだまり!判ったわよ!その代わり、咥えっぱなしはしないこと!」

「ほぉ~い!」

これはハイ!ではない。隙あらばやるからな!と言う意味が込められている。

100%やらないとは断言できないからである。

「まあ、墜ちると判ったら、遠慮なく火付けるけどね・・・」

「だ・か・ら・・空港で話すことじゃないでしょ?」

「あん?」

「好きで乗る人ばかりじゃないってこと・・・」

「高所恐怖症に閉所恐怖症かぁ~そういえば・・うちにも居るわ!」

「その人は飛行機には?」

「乗せるまでが一苦労!ガンガン酒を飲ませると、暴れるから・・・」

「それで?」

「一杯だけ飲ませたら、グルグル廻して・・・それでも駄目なら・・・」

「駄目なら?」

「後ろからぶん殴って気絶させて乗せる!」

「ヘリに?」

「うん!メンドーなら荷物と一緒にネットの中に押し込んでみるけど・・・」

「それでも乗るの拒絶したら?」

「熊のエサか遭難か転落か自力か選ばせるけど・・・」

「連れて行く時は?」

「ベロンベロンに酔っぱらわせる。無理やりにね・・・足持って振り回せば・・・」

「可哀そうに・・・・」

「でも・・そのおかげで、飛行時間2時間までOK!になったけどね!」

山岳地帯を飛ぶヘリに比べたら、飛行機は快適な乗り物だ。寛いでいれば、目的地へ

トラブルでもない限り運んでくれる。

「ったく・・・鬼かな?ウチの旦那・・・」

「俺の方が酷い目に遇っているからいいの!それより・・・時間だな・・・行こうか?」

機種はB6。つまり、B767-300。従って、ボーデイングブリッジは一本。

ゆっくり乗り込んでもいいのだけど、ジャケットを預けたり、カバンを収納したりするわけだから、

優先搭乗で乗りこんでしまうのに限る。

従って、搭乗開始時間には、ソウトド&メストドは搭乗改札ゲート周辺に居ることになる。

ラウンジの職員に見送られ、ゲートまでポコポコと歩いてゆく。

メストド1号は2号とのプチ留学の際、乗換先のバンコクで電動カートに乗ったらしいけど、

本人曰く、「歩いた方が早かった!」そうだ。オストドは一度もその恩恵?に預かったことはない。

強いて挙げるとすれば、ドバイでバスに12席しかないファーストクラス専用のバスに乗った事と

イスタンブールから飛んだカイロで、バス1台に2人しか乗っていないことぐらいである。

後は・・ちょっと明かす事はできないVIP待遇を受けたときくらいだろう。

「乗ってみたい気もするけど・・運転させてくれるならね!」

「アンタは通行人を撥ねそうだから・・駄目!」

「だよねえ~それ!正解かも・・・」

ゲート106へ向かう。どうやら横にはもう居ないはずの先行便。エバー航空が出発が遅れている。

「ふう~ん!こっちが先に出発しちゃったりして・・・・」

ところが、こっちも出発が遅れるらしい。

「ったく・・整備してなかったのかな?まあ・・墜ちるよりはマシだけど・・・」

「縁起でもない・・・」

しばらくすると、優先搭乗のお客様はお並びくださいとの事。丁度ゲートの改札前に居たので、

「搭乗券とパスポート拝見いたします。」

「だって・・・」

オストドに持たせておくと危ないと熟知しているメストド1号が二人分のパスポートと搭乗券を出す。

半券をもぎ取られることなく、NH1188便の機内へ一番乗りで乗りこんでゆく。

座席に辿りつきと言っても歩いた距離はたかがしれている。

ジャケットを脱ぎだすと、CAさんが飛んでくる。

「オストド様ジャケットお預かりいたしましょう!」

「ありがとう!お願いしますね・・・」

「奥様のもお預かりいたしましょうか?」

「ええ・・」

「オストド様メストド1号様本日もご搭乗誠にありがとうございます。」

「宜しく!」

ちゃんとVIPリストに名前が載っていたのだ。でも勘違いしないで欲しい。ここで言うVIPとは・・・

そう。最も注意しなければいけない乗客。

例えば、オストドも一応所属しているけど、悪たれ連こと883+1会。

こいつらは、隙あればCAのお尻をドサクサ紛れに触りまくる奴等だし、その他にも色々いるらしい。

だから、「アンタ!判ってるわね!素性を知っているんだからね!」とか・・・

「大人しくしてないとエサの配給しないからね!」という脅しに等しいとオストドは思っている。

「さすがよね・・・」

「何が?」

「やっぱり・・日系はいいわね」

「まあ・・ね。少々・・厄介な部分と言うかぁ~その時に置かれている立場を判って欲しいときもある。」

「へえ~どんな?」

「どんな?って・・その手には乗らないよ!」

「乗られたらあたしの腕は骨折間違いなしだけど・・・」

そんな話をしているうちに、さっさと先行便であるエバー航空の機体がいなくなる。

「それよりさぁ~コレ良いと思わない?」

「エッ?」

オストドが愛用している腕時計は、ANAモデルの時計。作業服や普段着には別にいいのだけど、

スーツには合わないと常々メストド1号が言っていたのだ。

「どれ?」

「この時計・・・今のより薄いでしょう?お値段手頃だし・・・」

どうもANAの機内に乗りこむと、ショッピング熱が出てくるオストド&メストド1号。

「買おうかな?」

「買いなさい!」

早速、通りかかったCAさんに搭載されているか確認すると、搭載していると言う。

「じゃあ・・それ頂戴!」

「お食事の後にお持ちいたします。」

これは賢明な答えである。以前、「コレ頂戴!」と言ったら、出発間際に持ってきて、支払いが終ると

もう滑走路近くまで来ていたことがあったのだ。

整備作業も終り、出発すると言う。朝食を摂ってなかったら、暴言を吐きまくるところだったけど、

ラウンジで朝食にありつき、メストド1号によって口に咥えさせられた“おしゃぶり”によって、

めずらしく、オストドはご機嫌であった。

マイルで参る!in台北。オストド&メストド1号のぶらり旅 ③へ続く













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inacyan

VIP=注意人物(笑)とは知りませんでした(^^)
無言の圧力なんですねぇ~(o^_’)b
by inacyan (2011-01-13 19:21) 

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