「やられたら・・・やり返す」第2章通夜の夜に その4 [血みどろ?の争い]
― 戦いのゴング その4 ―
♪きっと・・来るぅ~♪
おなじみのメロディーがオストドの頭に浮かんできた。
それまでは、XーJAPANのとある曲が流れていたのだが・・・
「嵐になる・・それも巨大級のだな・・・」
「えっ?そうかもね・・・」 メストド1号もどうやらそれを確信していた様だ。
「何しろ・・・アウェーじゃん・・・」
「うん・・・・」
「ひと騒ぎあるぞ・・・きっと・・・」
何しろ、オストドはイトコたちを扇動していたのだ。いや、止めきれないのを覚悟していた。
「仕方ねえよな・・・あっちが悪いんだから・・・・」
オストドは、チンケな祭壇とチンケな棺桶その他ほとんどケチられた事を、
予め、イトコに詫びを入れていたのだ。
「場合によっては・・・暴れるからな!それに・・・お前を・・・」
「了解っ!」
つまり、出来レースを予め仕組んでおいたのだ。
親族の大半がいない中、親父の納棺が終わり、もうすぐ通夜式が始まる。
葬祭ディレクターには、可哀そうだったが、「荒れること」をメストド1号がある程度は、
伝えてあるので、特に式の進行には響かない様にはなっている。
案の定、イトコや叔父、叔母たちがギリギリの時間にやってきた。
「なんなんだ・・・これは・・」
「長の席はどこなんだよ!おかしいじゃねえか・・・」
確かにそうだ。社葬なので、葬儀委員長たちの席側はいいとして、親族席の配列に問題があった。
最前列の中央から、喪主である親父の後妻、そして長男であるオストド。そしてメストド1号は
まだ許せるとしても、親族でもない後妻の娘とその子供が最前列にり座っている。
後妻の娘とその子供は、当家には関係はない。
「これでも大変だったらしいわよ・・・」
「へっ?」
「アレがさ・・・娘とその子供を横に座らせろって・・・」
「へえ~」
これは後で聞いた話だ。つまり、当家の面目をまとめて潰したわけだ。
まあ、叔父・叔母は車イスだったので、その席を用意出来ない事情もあるのだが、
「やっぱり・・やるしかねえよな!親父!」
オストドの涙はいつの間にか渇き、憎しみ、いや、復讐のオオカミになっていくのが判った。
「お導師様のご入場でございます。」
ちょっとした騒ぎが、うその様に落ち着くと、葬祭ディレクターが式の進行を進めた、
焼香の順は、まず・・・葬儀委員長。次に副委員長なのだが、これを忘れていたのもあったが、
喪主である後妻に続きオストドそして・・親族の焼香と続いた。
その後は、会社関係者、一般弔問客になる。
葬儀委員長、喪主、そして、オストドはその間立ち続け、挨拶をしなければならない。
オストドは弔問客の不思議さを感じた。
そこには、町内会の面々がいない。
つまり、後妻は「忌中」の紙すら家の玄関に貼っていなかったのだ。
何しろ、葬儀の打ち合わせの席で、香典返しを巡っての論争があったからだ。
「町内会の人たちにも・・・同じ物を出すのですか?」
「はあ?当たり前じゃん!」
「だって・・・包んできたって・・三千円くらいでしょ?」
「あのね・・・・」
つまり、香典返し・・・一個2625円の物を返し、さらに送迎バス、通夜振る舞いをしたら、
赤字になるというわけだ。
「チンケなこと言うな!」
しぶしぶ・・・香典返しには、同意したが、町内会には内緒にしたわけだ。
これは、オストドの取引先銀行の担当者が、偶然同じ町内会の出身で、その人のお父さんが、
親父を知っており、わざわざ家まで、貼り紙確認に行ってくれたので判ったことだが・・・・
「カ~ン!」
オストドの頭の中で、最終決戦を告げる戦いのゴングが打ち鳴らされた。
法律と言うルールしかない。無制限、無慈悲の戦いが今始まろうとしていた・・・・
― 第三章 誓い に続く―
♪きっと・・来るぅ~♪
おなじみのメロディーがオストドの頭に浮かんできた。
それまでは、XーJAPANのとある曲が流れていたのだが・・・
「嵐になる・・それも巨大級のだな・・・」
「えっ?そうかもね・・・」 メストド1号もどうやらそれを確信していた様だ。
「何しろ・・・アウェーじゃん・・・」
「うん・・・・」
「ひと騒ぎあるぞ・・・きっと・・・」
何しろ、オストドはイトコたちを扇動していたのだ。いや、止めきれないのを覚悟していた。
「仕方ねえよな・・・あっちが悪いんだから・・・・」
オストドは、チンケな祭壇とチンケな棺桶その他ほとんどケチられた事を、
予め、イトコに詫びを入れていたのだ。
「場合によっては・・・暴れるからな!それに・・・お前を・・・」
「了解っ!」
つまり、出来レースを予め仕組んでおいたのだ。
親族の大半がいない中、親父の納棺が終わり、もうすぐ通夜式が始まる。
葬祭ディレクターには、可哀そうだったが、「荒れること」をメストド1号がある程度は、
伝えてあるので、特に式の進行には響かない様にはなっている。
案の定、イトコや叔父、叔母たちがギリギリの時間にやってきた。
「なんなんだ・・・これは・・」
「長の席はどこなんだよ!おかしいじゃねえか・・・」
確かにそうだ。社葬なので、葬儀委員長たちの席側はいいとして、親族席の配列に問題があった。
最前列の中央から、喪主である親父の後妻、そして長男であるオストド。そしてメストド1号は
まだ許せるとしても、親族でもない後妻の娘とその子供が最前列にり座っている。
後妻の娘とその子供は、当家には関係はない。
「これでも大変だったらしいわよ・・・」
「へっ?」
「アレがさ・・・娘とその子供を横に座らせろって・・・」
「へえ~」
これは後で聞いた話だ。つまり、当家の面目をまとめて潰したわけだ。
まあ、叔父・叔母は車イスだったので、その席を用意出来ない事情もあるのだが、
「やっぱり・・やるしかねえよな!親父!」
オストドの涙はいつの間にか渇き、憎しみ、いや、復讐のオオカミになっていくのが判った。
「お導師様のご入場でございます。」
ちょっとした騒ぎが、うその様に落ち着くと、葬祭ディレクターが式の進行を進めた、
焼香の順は、まず・・・葬儀委員長。次に副委員長なのだが、これを忘れていたのもあったが、
喪主である後妻に続きオストドそして・・親族の焼香と続いた。
その後は、会社関係者、一般弔問客になる。
葬儀委員長、喪主、そして、オストドはその間立ち続け、挨拶をしなければならない。
オストドは弔問客の不思議さを感じた。
そこには、町内会の面々がいない。
つまり、後妻は「忌中」の紙すら家の玄関に貼っていなかったのだ。
何しろ、葬儀の打ち合わせの席で、香典返しを巡っての論争があったからだ。
「町内会の人たちにも・・・同じ物を出すのですか?」
「はあ?当たり前じゃん!」
「だって・・・包んできたって・・三千円くらいでしょ?」
「あのね・・・・」
つまり、香典返し・・・一個2625円の物を返し、さらに送迎バス、通夜振る舞いをしたら、
赤字になるというわけだ。
「チンケなこと言うな!」
しぶしぶ・・・香典返しには、同意したが、町内会には内緒にしたわけだ。
これは、オストドの取引先銀行の担当者が、偶然同じ町内会の出身で、その人のお父さんが、
親父を知っており、わざわざ家まで、貼り紙確認に行ってくれたので判ったことだが・・・・
「カ~ン!」
オストドの頭の中で、最終決戦を告げる戦いのゴングが打ち鳴らされた。
法律と言うルールしかない。無制限、無慈悲の戦いが今始まろうとしていた・・・・
― 第三章 誓い に続く―
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