SSブログ

「トラブルコンダクター ものがたり」22話 「大雪に戸惑う・・・・」 [暴露ばなし]

~「さっぽろ雪祭りの思い出・・・・」~
まだ、私が「ど・新人」のころのはなし。
昔の日本の空は、「日○航空・全○空。東○国内航空」の三社がほぼ独占していたとき、我々ツアコンの間では、「J○Lが高級・A○Aは普通・T○Aは最低!」と言われていたことがある。これは別に「J○Lが安全で、T○Aが危ない」と言うはなしではない。北海道の場合、デラックスツアーがJ○Lで、ちょっと質が下がるのがA○A。最も安いツアーがT○Aを利用するのが当たり前だったのだ。
従って、「ヤッターJ○Lだ」とか「なんだ。A○Aか・・」とか、「やっぱり・・・・T○A」かと一喜一憂していたのである。宿の設備も全然違うし、バスも心なしか見劣り・・・・昼食も1品・・・差が・・・・・なんて事も日常茶飯事だった気がする。
ある日のこと。
「オストドくん。明日から雪祭り・・・・・」とアサイン担当。
「えっ?本当ですか?先輩じゃないんですか?」
「うん。J○Lに乗るAさんが、アレで・・・・代りにA○AのBさんが繰り上がって・・・・」
「つまり、繰上げ・最下位・・ですね。」
「行きたくなければ、D君に行ってもらうけど・・・・・」
「いや、行きたい。是非。行かせて下さい!」と言うわけでの出発になったのである。
オストド一行が「会場」入りするのは、最終日である。そのまま、最終のT○Aで帰京するのだ。
「雪まつり」の会場に着くと・・・・雪が大量に降っている。ドライバーとガイド嬢が「もしかしたら・・・オストドさん。吹雪くかも?」と言う。
見学時間を30分ほど繰り上げ、一路千歳へ向かう事にした。
ドライバーとガイド嬢と「相談」をするオストド。
・・・もし万一の際の足の確保をする。
T○Aのカウンターへガイド嬢と急ぎ足で向かう。お客様はバスにいてもらう。
「あの・・・東京行き・・・・・どうですか?」
「ダ・・メかもしれませんね。ちょっと待ってください・・・・」と無線機に手を延ばす。
「はい。はい。滑走路・・・・閉鎖。フライト・・・キャンセル・・はい。解りました。」
「やっぱり・・だめですか・・・・?」
「ええ。だめらしいです・・・・。」
「と・・いうことは・・・JもAもだめ・・・・・」
「明日は?」
「明日は天候回復するみたいで・・・・臨時便飛ばす予定ですが・・・」
「とりあえず、確保できますか?」
「ええ。お取り出来きます・・・・」
「じゃあ、それで、お願いします。それと急いで帰らなければならないお客様が・・」
「明日お並びいただくしか・・・・」
「ホテルは・・・・・なんとかなりませんか?」
「ちょっとお待ちください。・・・・・・Aホテル○ルーム・・・Bホテル・・○ルーム。」
「宿泊料金はお幾らですか?・・・・」
「お1人・・・・円ですね」
「ありがとう。じゃあそれいただきます。」
バスへ戻る。バス会社へバスの延長を頼む。料金がかかるが仕方ないこと。
「お客様へご案内申し上げます。千歳空港は午後4時より吹雪のため、全面閉鎖となりました。つきましては・・・・・約款に基づき本日のお宿を手配いたしました。
お1人さまAホテル・・・・・円、Bホテル・・・・円でご用意いたしました。
つきましては、これからご希望をお伺いいたします。なお、現金にて添乗員にお支払いください。なお、明日のバス代としてお1人別途・・・・円ご集金させていただきます。」
オストドはラッキーだったのかもしれない。T○Aだったために、ホテルを航空会社が確保してくれた。先輩たちのJやAは、ホテルの手配をしてくれないらしい。
JのA先輩やAのB先輩は今にも泣きそうである。A先輩やB先輩はバスを帰してしまっている。バス会社に連絡(幸い同じ会社だった)して、1台だけ戻してくれるらしい。とりあえず、自分のお客様を札幌市内のホテルへお送りし、空港へ戻る事にする。この際ピストン輸送するしかない。(3人とも同じ旅行社ツアーだったし・・・)
全てのお客様を輸送し・・・・・Bさんは空港カウンター前で泊り込み・・・・Aさんと一緒に札幌・円山界隈の・・・・・ホテルと言うか旅館と言うか・・・・まあ「連れ込み」と言われるラブ・・・・にようやくたどり着いたのは、午前0時を廻っていた・・・・・・。
後日談、私ことオストドは全てのお客様を翌日には帰京させ自分も帰京。
A先輩もT○Aの情けで帰京。B先輩の帰京はその翌日であった・・・・。
この一件以来、私は「雪まつり」にいっていない。
もう大雪に悩まされるのは懲々である。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0