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「僕たちの・・・・祭り・・・」第54話  [高1の秋・・・・ちょっとエッチな話]

オオカミたち・・・・・13

大好物のハンバーグ・・・・・特大サイズをペロリと平らげ・・・・・美希のエビフライを横取りして・・・・口に咥えた僕。

「あっ・・あたしのエビフライ・・・取ったぁ~」
「マスターエビフライ・・・もう一皿追加ぁ~・・・・・まったく・・・子供じゃないんだから・・・・騒がないの・・・・」
「だって・・・あたしのエビフライ・・・・・」

すでに・・・・エビフライは僕の胃袋に落下ずみ・・・・

「もう一皿来るから・・・しょうがないでしょ・・・レン・・・食べ盛りだもの・・・・・」
「ねえ・・・その・・・ステーキも頂戴・・・・」
「やだ!」
「ねえ・・・紗江子・・・言っていることと違うような気がする・・・・」
「そうね・・・・でも・・・・しょうがないじゃない・・・・・レン・・まだ食べれるの?」
「言ってみただけ・・・・・あと・・・・少々なら・・・・入るかもしれないけど・・・・すぐ寝ていいなら・・・・・」
「駄目。・・・・許して欲しかったら・・・・・・2曲は歌・・・歌ってもらわないと・・・・」
「全部で?」
「ノー・・・・3曲・・・・・」
「まあ・・・仕方ないけど・・・・お客さん来ると思う?・・・・ワンドリンク付2000円じゃね・・・・こっちが払うなら来るかもしれないけど・・・・・」
「来なければ・・・・今日はノーギャラ・・・・美希にはツケ払ってもらわないと・・・・・」
「えっ~払うの・・・・今までの分!」
「そうね・・・・・」
「呼び込みでもしようかな・・それとも・・・・キャッチでもする?」
「あのね・・・うちは・・・・暴力バーじゃないんだから・・・・」
「あたしのツケ幾ら?」
「冗談!レンいないとき・・いつも手伝ってもらうし・・・・タダ!でいい。そうね・・・今夜のレンのギャラは・・・・・お客さん一人につき1000円でどう?」
「そんなに上げたら・・・この子・・・本業にしちゃうから・・・・駄目!」
「うん・・・チップ箱置くから・・・・・いらない・・・・」
「そう?じゃあ・・・・一人あたり・・・・1500円の儲けかな・・・・10人くらいくればいいわね・・・・・・」
「チップ弾んでくれればね・・・・弾んでくれなかったら・・・・途中で打ち切っちゃおう・・・・・」

紗江子の店に戻ったのは・・・・7時ちょっとすぎ・・・・・早くも・・・・数人のお客さんが待っていてくださいまして・・・
7時半の開店と同時に・・・・お店は満員・・・・と言っても・・・詰めて座ってもらっても・・・・25名ほど・・・・
今日は・・・満員御礼です。
8時・・・いよいよ・・・開演の時間は・・・・刻一刻と迫ってきました。「制服」に着替え・・・・2階から降りていき・・・・・ピアノの前に座り・・・・まずは・・・ご挨拶・・・・・一応・・・・礼儀ですから・・・・

「本日はご来店いただきまして・・・・誠にありがとうございます。また・・・・先日は僕の誕生日をお祝いいただき・・ありがとうございました。生まれて初めて最高の誕生日が迎えられました。
本日は・・・紗江子ママの体調が思わしくありませんので・・・・僕とそして・・・・美希がこの2時間ほど・・・ではございますが・・・・お店をジャックさせていただき・・・・レン’sスペシャルナイトをお送りしたいと思います。それでは・・・・1曲目は・・・いつものオープニングナンバー・・・・・ミスターロンリー・・・・ピアノソロバージョンをお送りしたいと思います・・・・・・えっ?ママ挨拶したい・・・では・・・ママの挨拶を先に・・・・」

突然指名された・・・紗江子・・・・軽く僕をにらみつけると・・・・・・・・・

「ママの紗江子でございます。・・・・昨夜は突然・・・・体調を崩しまして・・・お休みいたしまして・・・・申し訳けありません。また・・・先日はレンのおために・・・多くのお客様にお祝いいただきありがとうございました。これで・・・レンも少しは・・・・今までの苦労が報われた事だと思います。それでは・・・・本人曰く・・・猫踏んじゃったレベルではございますが・・・・・どうか・・・最後まで・・・・お付き合いの程お願い申し上げます。・・・・・・あっ忘れておりました・・・・・美希にも挨拶・・させないと・・・・いけませんね・・・美希いらしゃい・・・・」
「あっ・・あたしも?」
「レンのためにお集まりくださったんだから・・・・挨拶しなさい・・・」

美希・・・すっかり・・・・観念して・・・・押し出されるように・・・・

「えっと・・・・・美希です。うちの・・・・・レンのために・・ありがとうございます。本人が皆様にお礼をしたいと申しまして・・・今日・・・突然言い出すものですから・・・・まだ・・・・お聞き苦しい点は・・・・一杯あると思いますが・・・宜しくお願いいたします・・・・それから・・・・・今日は3曲いや・・・・私たちにも挨拶させたので・・・・5曲は歌も歌わせたいと・・・・思います。」
「えっ~聞いてないよぉ~・・・・さっきのエビフライで・・・・3曲になったのに・・・・なんで・・・5曲も・・・・」  僕の絶叫が店に響き・・・お客さんは爆笑・・・・・

それはそうです・・・・今まで・・・・歌は・・・・・そんなにご披露してないのですから・・・・・

「えっと・・・・とてもシラフでは・・・・誰か・・・・一杯恵んでください・・・・強い奴・・・・・」
「レンちゃ~ん・・・あたしが・・・・・ママ・・・・ジン!・・・・・ジン!でいいわよね?」
「ありがとうございます。・・・じゃあ・・・・始めたいと思います・・・・・歌の方は・・・・ピアノ以上に聞き苦しいほど・・・・音痴・・・・あっみなさんご存知ですよね・・・・・じゃあ・・・・ミスターロンリー・・・・そして・・・皆様のお力をお借りして・・・・翼をください・・・・・から・・・・お聴きください」

何せ・・・3曲が・・・5曲・・・・・・・・僕・・あせりました・・・・・アンチェインド・メロディーだけが・・・・2曲また・・・2曲どうしましょう・・・・・・・・・
翼をくださいは・・・弾けるし・・歌も知っています。えっと・・・・アリス・・遠くで汽笛を聴きながら・・・・
あとは・・・ドリフターズのラストダンスは私に・・・・あと1曲・・・・オフコースの愛を止めないで・・・・
そして・・・・全20曲・・・・演奏を終えて・・・僕・・・頭が真っ白・・・・ぷっつん状態・・・・でも・・・まだ・・・ジンのお礼してません・・・・

「ありがとうございます。えっと・・・・あれ・・・勘定合わないような・・・・歌・・・一曲忘れてる?・・・」

うなずく・・・・・美希と・・・・お客様一同・・・・・・・

「えっと・・・やっぱり・・・・誤魔化せないようで・・・・さっき・・・ジンいただきましたので・・・・それにまつわる歌・・・・映画・・・・スローなブギにしてくれ・・・・の挿入歌・・・・南佳孝のスローなブギにしてくれで終りたいと思います・・・・」

最後の曲・・・・スローなブギにしてくれ・・・・が終わり・・・・・

「ほっ・・・・終った・・・・・」 完全に燃焼・・・・もはや・・・燃えカス・・・・いや・・・・灰・・・・状態。
お客様をお見送りし・・・・店の看板の灯りを消した・・・店内では・・・・・
美希と紗江子が電卓を叩いていて・・・・・・・・

「ねえ・・・・儲かった?」
「うん・・・・売り上げ・・・・20万円超えたぁ~」
「なんで・・・・2000円x25名でしょ・・・・5万円じゃないの?」
「あのね・・・ワンドリンクで終るわけないでしょ・・・・・おつまみも・・お代りのお酒も出るし・・・・まあ・・・今日はどれでも500円にしたんだけど・・・・・昨日の分も取り返したぁ~」
「それは良かった・・・・・」
「ねえ・・・大変・・・・チップ・・・すごいことになってる・・・・」
「はぁ?・・・ゼロ円?つまり・・・ノーギャラ?」
「違うわよ・・・・・チップだけで・・・・10万3千円・・・・・」
「何それ・・・ねえ・・・・俺・・・本業じゃないんだし・・・・・・・」
「そうねえ・・・・ねえ・・紗江子どうしよう・・・・・・」
「いいから・・・貰っておきなさい・・・・皆さんがレンに上げたんだから・・・・」
「じゃあ・・・貰う・・・・」

店で・・・・今日の稼ぎを祝って・・・・マンションに帰る途中・・・・・・・・

「ねえ・・・美希・・・・はい・・これ・・・・」
「なあに?食費だったら・・・怒るわよ・・・・・」
「いや・・・洋服代とか・・・・・・」
「いらないの・・・趣味なんだから・・・・それより・・・・ミサのためにお金いるんでしょう?」
「うん・・・・そうだ・・・・じゃあ・・・このお金で・・・宝くじ買ってきて!」
「全部?」
「うん・・・・美希・・・・運が良さそうだし・・・・」
「そうねえ・・・・今・・・絶好調かな・・・・解った・・・・買ってくる!」

その頃・・・・佐々木くんたちは・・・・・・・アジトで・・・・せっせと裏本のビニール袋詰め・・・・・・だって・・・
こうすれば・・・・原価が下がるんですから・・・・・・僕たち・・・社会関係奉仕部・・・・弱い者のためなら・・・法律なんか・・・・クソくらえ・・・・そんな世界で・・・・・彷徨っています。


「僕たちの・・・・祭り・・・」第55話へ・・・続く・・・・・ 





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