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「父親を辞める日・・・・」5章 「親の意見・・・」 [「父親を辞める日・・・・」]

「解っているんだけど・・・反発しちゃうんだよね。」

「いいか・・・引越ししたら・・・ミジンコ男には家の住所教えるな!」
「なんでさ・・・なんで・・・ミジンコ男なわけ!」
「あのなぁ~逃げ出してばかりいる男なんて男じゃないんだ・・・だから・・・ミジンコで沢山。意味解るか?」
「ミジンコ・・・・解らない」
「あのね・・・ミジンコは掬えない・・つまり・・・救えない・・・もうダメな男の意味。」
「なるほど・・・確かに・・・」
「だから・・・・家の場所覚えられると迷惑。もともとそんな・・ミジンコヤロウに使う時間はない!」
「しかし・・・」
「しかしもへったくれもない!今までだって・・・人間関係が上手くいかないとかで会社をコロコロ代わっている奴だろ・・・それに・・・・君の苦労する姿が見えるもの・・・・自分が逃げ出して・・自分を正当化することしか出来なくて・・・・自分の本当の親とも口を利けない。兄弟ともココ十数年口を利いてない奴なんか・・・救いようがあるわけないじゃないか・・・」

つい・・・口が過ぎたようだ。でも・・・嘗て・・娘と呼んでいた若い女性が誤った道を進むのを注意するのが、社会人としての先輩だろう。

「大体・・・君は確か自分の子供は私立の小学校・中学・・・と進ませたいと言っているわけだし・・・そんな奴の子供が進めるほど・・・お受験は甘くない!それに・・・莫大にかかる教育費はどうする気だ?」
「だって・・父援助してくれるでしょ?」
「そんな奴の子供に援助するくらいなら・・・全額福祉に寄付したほうがよっぽど・・世の中のためだ。」
「わたしの子供でも?」
「そうだな・・・まず・・・そのようにして欲しかったら・・・父が脱帽せざるを得ないような男探して来い!」

ますます・・ヒートアップしてゆく。私。元々・・もう父親を辞めているわけだから・・・どうでもいいことなのだが・・・

「解っているんだけどぉ~なんか親に言われると素直に聴けないと言うか・・反発したくなるのよね・・・」

反発したければすればよい。もう・・成人しているわけだから・・・自分の事は自分でしなければならないし・・・責任もとらねばならない。

「今度から・・・アレに意見求められたら・・・男としての意見か父としての意見か・・・社会人としての先輩としての意見かどれがいいと聞くことにしたわ・・・」

それを聞いた・・・妻曰く。 「わたしもそうする。」

親の意見と冷酒は後から効いて来る・・・

誰だって・・・自分が歩いてきた道に100点はつけられないと思う。私の場合で言えば多分・・・マイナスか良くても零点くらいなものだろう。
自分が完璧な道を歩いてこなかったから、「同じ過ちは犯して欲しくない」と思い、意見するのだが・・・・
どうも・・・先輩・後輩関係と違い、親子関係では素直に従えないものだ。勿論・・私や妻もその類だった。
そうでなければ・・・娘はこの世に存在していなかったのかもしれない。
口当たりのいい(耳に心地よい)酒(言葉)についつい飲みすぎ(惹かれてゆき)翌日(将来)後悔する。
そんな風に教えたいのだが、私に似て・・酒は強い。いや・・・ザルと言ったほうが正しいほどアルコールに強い嘗て娘と呼んでいた者は・・・「やってみなけりゃ解らないじゃん!」とでも返って来そうだ。

ある日・・私は妻に宣言した事がある。「娘の結婚式には列席しないし・・・祝福もしないからな!」
妻曰く・・・「ははん・・・・花束贈呈とか嫌なんでしょ・・・」

痛いところを突付く・・・妻。確かに私は泣いてしまうかもしれない・・・そんなみっともない姿なんか晒したくない。
ここは・・・話題を変えなければ・・・ならない。

「例えばさ・・・娘がミジンコ男と結婚すると言ったらどうする?俺は・・式には出ないどころか一切の縁を切るけど・・・」
「そうねぇ~今のは・・・最低最悪だからね・・・あたしもそうするわ・・・今のところだけど・・・」
「でもさ・・・北のおじじとおばばはどうかな?」
「そうねえ~大激怒かな・・・」
「俺等にか?」
「いや・・・娘にとその旦那・・・何故・・・親を説得出来ないって・・・多分・・・おじじおばばも出ない。」
「そうか・・・そうなると・・・親族席は空っぽだな・・・・」
「そういえば・・あたしの友達にも居たわ・・・そういうの・・・」
「へえ・・・それで・・・」
「うん・・・哀れだったわ・・・・」
「まあ・・それで本人たちがいいなら良いんじゃないの・・・・俺・・・どっちみち辞退するもの・・・それか・・・海外逃亡だな」
「あたしも一緒に逃亡するわ・・・」
「うん。」

お百度参りの謎・・・

「ねえ・・先輩。彼女のお父さんが会ってくれないんですけど・・どうすれば良いですかね?」

会社の後輩から相談を持ちかけられたことがある。

「そうだな・・・100回・・・毎日家の前で忠犬みたいに帰りを待ち伏せすればいいじゃん・・・多分。100回通えば誠意は伝わるはずだけどな・・・」
「何で・・・100回なんですかね・・・」
「それはだね・・・お百度参りって聴いたことあるだろ・・・」
「はあ・・・夜中に・・・人に見られないように・・・って奴ですか・・・」
「そう・・・あれは神様や仏様への誠意を見せているんだよ・・・だから・・・100回通えば誠意が通じるんじゃないかな」
「じゃあ・・・先輩の場合は?」
「難しいな・・・そうだな・・・3年は通ってもらおうかな・・・毎日尻尾振ってな・・・そうすれば・・・情が沸くかもしれない」
「そんなものですかね・・・」
「そんなものだろ・・・大体・・・1回行ったくらいで・・・門前払い喰らってクヨクヨしている・・・女々しい奴に大事な娘をやる父親がどこにいるって・・・それが・・・娘を持つ父親の最後の抵抗だな・・・でも・・・赤口や仏滅・先勝の日はやめろ」
「どうしてですか?」
「あのな・・・最悪なのは仏滅。それに赤口。この日は大人しくしておけ・・・先勝の日しか行けなかったら・・・午前中に尻尾を振っておけ・・・午後は凶だからな・・・」

私は知っている・・・仏滅の日に結婚したカップルの末路。確か・・・成田離婚した奴もいるのだ・・・仲間に・・・
折角・・・ハネムーン先のホテルに・・・「ニイタカヤマノボレ!」って電報打っておいたのだけど・・・・
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