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「ツアコンとガイドの違い・・・」 第1章 [旅行のイロハ]

まえがきに代えて・・・ツアコンとガイドは違うので間違えないで!

よく言われるのが、「ツアコンだったくせに・・・」。
まあ・・・ちょっと知ったかぶりをする・・「ど素人」の発言と放置する。
みなさんの中にも「ツアコンとツアーガイド」を間違える人はいませんでしょうか?
K社の役員である。K氏もその一人。
「お前さぁ~ツアコンだったんだろ!案内しろよ!」
この時点で間違えている。こんな人でも役員になれるのだから、日本はなんて住みやすい国。
いや・・・一般人である人々には住み難い国になっている。
ここで・・・ツアコンとツアーガイド(通称:ガイド)との違いを明らかにしておくことにしよう。
そもそも・・・「ツアコン」と言うのは、ツアーコンダクターの略。昔風に言えば添乗員。
「ツアーガイド」とは・・・ツアー案内人。職種が違うのだ。
ここまでの説明で明快に理解できる人は、多分100人に1人ぐらいだからまだ心配しなくても大丈夫。
大会社の社長でも解らないのだから・・・解るのは・・旅行業観光業関係者くらいなのだから。
まあ・・・その中でもごっちゃになっている人間がいるくらい。

では、どのように違うのか説明していくのに・皆さんは「トド観光」主催旅行に参加しなければならない。
皆様・・それでは・・・「旅支度」はよろしいでしょうか?

「第一章 さあ・・旅に出よう!」

今回の旅行はとりあえず・・初回なので・・2泊3日のミステリーツアーにご案内しましょう。
旅に出る・・あなた。まず最初に集合地である。A空港へご集合いただかなくてはなりません。
公共交通機関やタクシー・家族の送迎と様々にご集合いただくことになっているわけで・・・

待ち合わせ場所にいるセンダーとツアコン。きびきび働く若い女の子と、その横にいる低血圧故か太っているせいか未だ謎の中年のおじさん。
誰が見たって・・・「添乗員はあの女の子がいいなあ~」と思うはず。
でも・・残念ながら・・・添乗員つまり・・ツアコンはこの私。オストドなのだから・・諦めてもらうしかない。
キビキビと受付業務をこなしてゆく女の子は、「センダー」つまり・・送り人。
送り人と言っても勘違いしないでください。あの世行きのツアーではありません。
やむを得ず・・目的地が「あの世」になる可能性はゼロではありません。例えば、飛行機の墜落とかもあり得ますので・・
受付をしながら再集合時間を的確に伝えていく女の子の業務は皆さんの集合時間の1時間前から、私ことツアコンとの打ち合わせと称した・・・ナンパじゃなくて・・・口説きでもなくて・・・そうそう・・・打ち合わせから始まっています。
ツアコンである私のスタンバイ時間は、お客様集合時間の国内線なら1時間前以上。国際線なら2時間前以上。
今回は国内線。でもお客様の集合時間は7時。フライトの出発は8時過ぎ・・・家(と言っても・・ボロ〇パート)から来たのでは間に合わないので・・・昨夜は・・・ラブホそれともビジネス旅館?と言いたくなる様な・・・つまり、宿泊料金の安い宿に泊まり、予め手配しておいたタクシーに同僚と乗り込んだのは、午前5時過ぎにタクシーで空港へ到着。
今回はちょっと予算があるので・・・センダーが付くので・・・必死に眠気と闘っていればいい。
この「センダー」とは、センディング担当で空港のチェックイン業務を担当することが、主業務。
この女の子に持参したツアー名称札と航空券。タッグ類を渡しておけば全部やってくれることになっている。
「添乗さぁん・・オールオッケーです。再集合は・・10分後です。」
「おや・・・早いね!脅しが効いたかな?」
私は昨日・・・「出発確認のお電話」と称して・・集合時間の確認および参加者の間違いがないかチェックしてある。そのとき・・・・「集合時間に間に合わなければ・・おいて行きます」と冗談半分、本気半分で伝えてあるのだ。
「それから・・・お預かり物です。」
「あっ!ありがとう・・・」
これ・・・添乗員つまりツアコンを確認しないでセンダーにチップを渡してしまう・・・早合点さん。
しょうがないので・・・薄い財布から1000円札を一枚抜き出し・・・
「ご苦労様!コレで・・後でお茶でも・・・」 口止めの意味もあり・・・まあ・・チップを貰って怒る人間はいません。

ここでポイント! 「チップはツアコンに早目に渡すのがベターです。
特に・・・いい思いをしたい方!一日あたり・・・1000円を目安に包んで渡せば・・・旅費の元手を回収するのが容易です。早合点さんのように、ツアコンの確認をしないで渡すと・・・効き目は低いですよ!

おやっ!お客様方・・再集合もスムーズ。それじゃあ準備しなきゃいけません。腕章・ネームタッグ・会社の旗などを使い込んだパイロットケースから出せば、準備完了です。

「皆様お早うございます。このたびは私どもトド観光主催。2泊3日ミステリーツアーへご参加くださいましてありがとうございます。私、ツアーコンダクターとして皆様のお供をさせていただきます。トド観光のオストドと申します。そこの男性の方・・今一瞬がっかりした顔をなさいましたね?キャンセルされるのはご自由ですが、キャンセルチャージは100%。
つまり・・・お金の払い戻しはございませんので・・・どうぞ宜しくお願いいたします。
それと・・・お荷物のほう・・・機内お預け入れご希望のお客様はいらっしゃいますでしょうか?はい。ありがとうございます。お荷物に入れ歯やカツラを、お荷物の中には入れておりませんね?それかっら・・・貴重品は大丈夫ですか?
後は・・・・割れ物・・・無いようですね。お荷物を預けられる方はこの後、こちらにお残りください。・・・・・・・・」

まず・・・ツアーコンダクターである私の仕事は、会社を代表してのご挨拶。それから・・・所々で人員確認。
そして・・・目的地まで・・・やれ・・・飛行機に乗ってください。はい!トイレは後じゃ・・あれですから・・・そこにあります。
とか・・・雑用をこなし・・・各楽器(各々のお客様)を指揮するのが仕事なんです。
ですから・・・某〇イスのチョコレートをコーティングしてあるポテトチップスの売り場なんか知りません。
あしからず・・・ご了承くださいね!

「では・・・いいですか?次に・・・飛行機に乗りますからね!」

ガイドのいない部分の誘導はツアコンの義務。でも・・・いちいち・・旗を持って「こっちだよ!」ってやるのはどうも性分に合わない。ゲート前で再集合を掛けても・・・混乱を生じるだけ。
勝手に飛行機に乗ってもらうのが一般的。まあ・・心配症のツアコンは集める。
でも・・・私思うのですけど・・・・一番最後にゲートをくぐれば問題ありません。

「ねえ!今日のPAX何人?」
「450名様です。」
「今・・何人通過した?」
「ええと・・・449名様ですね・・・」
「誰だ・・あと一人の馬鹿!・・ああ・・俺かごめん!」

慌てて・・カバンを抱えゲートをくぐり・・・機体に入った途端・・・

ガシャン! ドアのクローズされる音!

つまり・・・これが・・ツアコンが航空会社に恨まれる理由のひとつ。
見送ってくれるGH(グラホ)や整備関係者に見送られ・・・席に着きシートベルトと格闘しているうちに・・・
機体はタクシングを始めています。

「あっ!・・本当にお客さん全部乗ったのだろうか?」 シートベルトを外して数を数えようとするツアコンの私。
そこへ・・満面の笑みを浮かべた・・・スッチー(CAのこと)がやってきて・・・

「添乗さん・・大丈夫です。全員乗っています。」(いいから・・・さっさと座れ!いつか殺すぞ!コノヤロウ!)
「ああ・・そう!」 と言いながら・・シートベルトを装着しないうちに・・・ピン・ピン・ピン・・・と離陸を知らせる合図音。
スッチーは慌てて・・・自分の席に戻り・・・シートベルトを掛け終わらないうちに・・・離陸を始める・・機体。
いよいよ・・・ツアー出発ですが・・・半分の仕事を終え・・眠りに付いたツアコンの私と不安を抱えたお客様の旅は幕を開けるわけです。


「ツアコンとガイドの違い・・・」 第2章へ・・・続く


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