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「僕たちの・・・トルコ行進曲」 第11話     [高1の冬・・・ちょっとえっちな話。]

はじめてお越しの方は・・・コチラ・・・からお読みください。途中から読まれても・・・ご理解いただけないと思います。
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元服ってなんだ? ⑪

僕たちはごっちゃに積まれている箱を・・・何せ納入してきた業者がちゃんと仕分けしていなかった箱を一個ずつ確かめては台車に積みこむ作業をしていた・・・

「くそぉ~学年主任の奴。この作業させるために・・・リポビタンDを俺らに配ったのか?」 「まあ・・そういうことになるわな・・・佐々木。でも考えてみろ!鬼クマの授業よりいいじゃん。」 「まあ・・そうだけどよ・・・」 「それにだ・・・これ・・・部数より多く作ってあるじゃん。」 「ああ・・そうだな・・・」 「と・・言うことは・・・解るかな?」 「ああ・・・なるほどね。確かに・・・毎年同じような問題のはず・・・」 「だろ?一部ずつ・・くすねても解らないよな?」 「なるほど・・・部長!頭いいじゃん。」

そのとき・・・窓の外をぼんやり眺めながらタバコを吸っていた体育科の鈴木教官が振りむいた・・・

「なあ・・委員長!ちょっとこっちへ来い!」
「い・・委員長って・・誰だっけ?」 「お前だ・・馬鹿!」 「あ・・そうか・・俺・・また委員長にされたんだっけ・・・」
「はい!何でしょうか?鈴木教官!」
「あのな・・・俺は朝飯喰っていない。腹が空くと機嫌が悪くなる。」
「はあ・・それで・・4時間目の体育は・・・地獄を見るわけですね・・・俺ら・・・」
「何か言ったか?委員長・・・」
「いえ・・・言ったとすればひとりごとです。はい!」
「そこでだ・・・諸君らも地獄は見たくないよな?」
「も・・勿論です。」
「と・・なれば・・・どうすればいいのか?解るよな!委員長!」
「はい。ここは・・・僕たち社会関係奉仕部にお任せいただき、教官にはお食事を召しあがって頂きたく・・・」
「ヨシ!俺は気分がいい。本当は授業に出ないお前らには及第点しか与えないところだが・・・」
「はあ・・・部活が忙しいもので・・申し訳けありません」
「それに・・・一杯感謝状が来ているようだから・・特別に全員にAを与えるとしよう」
「はい!ありがとうございます。鈴木教官!おい・・お前らもお礼を申し上げろ!」
「ありがとうございます鈴木教官!」
「うむ。お前らじゃあ・・・頼んだぞ・・・40分で戻ってくる。俺はここでお前らの監視をしていた・・いいな!」
「はい!」

教官が職員通用口から抜けでていくのを確認すると、僕たちは会議室にあるコピー機で、予想問題をコピーし始めた。なにせ・・・その方がリスクが低い。これを・・・今後ゆっくり活用させてもらうのだ。
コピー班は僕と青。そして見張り役が佐々木とY。それ以外は・・・各教室へ問題を配りに出掛けて行った・・・

「なあ・・・青!例の元服って何するんだよ・・・」
「何か知んねえけどな・・・大人の仲間入りだってよ・・・」
「あん?だって・・・俺たち電車とかバスとか・・・大人料金じゃん。」
「ああ・・・定期券を買ってないお前はな!俺らは定期がある。それらは・・・学割じゃん。」
「そうか・・・そういや・・・そんなのもあったっけ・・・でも・・俺・・嫁さんいるし・・・やることもやっているし・・・」
「ああ・・・お前はいいよな!俺なんか・・・お預け喰らった犬だぜ・・・美味しそうなエサが目の前にあるのに・・・」
「しょうがねえよな・・・あのくそじじいがいるんじゃ・・・夜這いもできねえじゃん。」
「まあな・・・キスひとつだって・・命がけだぜ・・・この前は危うく・・・袈裟で絞殺されかねなかった・・・」
「それでさ・・・元服の儀式って・・・信州くんだりまでいくんじゃないだろうな?」
「ああ・・・由香の親父さん。東京に用があって来るってよ・・・」
「そうか・・・でも・・夜は忙しいからな!」

僕たちは取り終えたコピーをとりあえず・・僕のカバンに隠したところへ・・・

「おい!鈴木のヤローが帰ってきた。」
「解った・・・Yこれ・・頼む!」

Yが僕のカバンに隠したブツを部室のロッカーに隠しに走り・・・僕たちは何事もなかったように・・また作業に没頭していた・・・

「よぉ!ご苦労・・ご苦労!」
「あっ!鈴木教官!あと・・・ちょっとで終ります。印刷屋のおやじちゃんと仕分けしてくれてなかったんで・・・」
「そうか・・お前ら・・メシは喰ったのか?」
「そういや・・・今日は・・・・何も食べてなかったっす。」
「そうか・・・コレでも喰えや・・・・」

そういいながら・・・僕たちに肉まんの差し入れを渡す鈴木教官。

「ありがとうございます。教官」

僕たちは全員戻ってきたところで・・・肉まんにかぶりついた・・・

「さて・・・キミたち・・・今・・肉マン食べたよな?」
「はあ・・・いただきました。」
「そこでだ・・・キミたちの力を借りたいと思うのだが・・・」
「はあ?」
「こっほん。体育科の倉庫が大分・・・散らかってきたので・・・キミたちに片づけを頼みたい!」
「汚ねえ~野郎・・・」
「何か言ったか?赤沼・・・」
「い・・いえ・・・赤沼は何も・・・なあ・・・赤!」 僕は赤沼にウィンクした。
「はい・・・何も言ってません。喜んでやらせて貰います。」
「まあ・・・いい。今日はどうせジャージを持ってきていないだろう?お前ら・・・」
「はい。時間割の変更を知らなかったもので・・・」
「そこでだ・・・」
「はい?」
「隣の病院の看護婦さんの中で・・・ピンクレディーのけいちゃんに似たのを知っているか?」
「ああ・・・あの・・・確か・・・外科だっけ?」
「いや・・・あれは・・・キャンディーズのミキちゃん似だろ・・・泌尿器科だよ・・泌尿器科」
「なんだ・・・佐々木やけに詳しいな?」
「はあ・・・」

まさか・・佐々木クン佐々木クンの大事なところを見られたとも・・・注射を打たれたとも言えるわけがなく・・・・

「実は・・・さっきすれ違ったんだが・・・一目惚れをした・・・」
「鈴木教官がですかぁ~」

僕たちは笑いを堪えるより・・・素っ頓狂な声を上げるほうが忙しいほどだ。だって・・・鈴木教官とじゃ・・月とすっぽんくらいの違いがありすぎる。

「じゃあ・・・教官は俺らに・・・仲を取り持てと・・・おっしゃりたいわけですね?」
「ま・・・まあ・・・お前らは病院にも出入りしてるだろう?」
「ええ・・・しょっちゅう・・・・まあ・・・半分は仕返しされてますけど・・・・」
「頼む!このとおりだぁ~上手く取り持ってくれたら・・・・3年間。単位Aでどうだぁ~」
「悪い条件じゃないよな?困っている人を助けるのは俺らの活動方針だもんな?」

僕は鈴木教官に見えない様にウィンクしてみせた。

「ヨシ!じゃあ・・・やるか!先生・・・多少経費掛ってもいいですか?」
「ああ・・・頼む!」
「では・・・お手を拝借。鈴木教官のために・・・3本で!」
「ヨォッ~」

そう行った時・・・僕の胸をまた・・不安が読みあがってきた。

「鈴木教官!今日・・・鬼・・・じゃなかった熊田教官どういう授業を・・・」
「あん?体力測定とか・・・」
「しまった・・・渡辺ぇ~

僕は夢中で会議室を飛び出し・・・つられて・・・社会関係奉仕部だけじゃなく・・・鈴木教官まで一緒に飛び出した。校庭から・・・体育館へ向かう最中・・・僕はある一点を見つめて・・・立ち止まってしまった・・・
そこには・・・校庭を鬼クマに無理やり竹刀で叩かれながら走っているというより・・・あえぎながら足を引き摺りながら歩いている渡辺の姿があった・・・

「わ・・・渡辺せ~やめろぉ~熊田ぁ~てめぇ~」

僕は渡辺のところへ飛んでいき・・・他の部員とクラスメートが熊田教官に一斉に襲いかかった。
ボコボコにされる熊田を茫然と見ている・・鈴木教官。
僕は・・・渡辺を抱きかかえると・・・

「あはっ・・・委員長!め・・迷惑・・また・・かけちゃって・・・・・・・・・・・・」

渡辺は僕の腕の中で気絶した・・・僕は鈴木教官を呼ぶ

「す・・鈴木教官!きゅ・・・救急・・・救急車ぁ~わ・・渡辺・・しっかりしろ!馬鹿!・・・渡辺ぇ~」

鈴木教官は救急車を呼ぶより隣りにある病院へ運んだほうが早いと判断したのか・・・僕の手の中の渡辺を抱きかかえると・・この人こんなに早く走れるんだというスピードで病院の玄関に駆け込んだ。
勿論・・僕も・・・そして・・・社会関係奉仕部全員・・クラス野全員が病院になだれ込むように駆けつけた。
渡辺はすぐ・・・集中治療室に運ばれていった。
すぐ・・・キー先生と兄さんが病院に駆けつけてきた。

「に・・兄さん。わ・・渡辺がぁ~・・・・・」
「大丈夫だ!お医者さんに任せろ。きっと・・助けてくれる。」
「鬼・・・熊のやろう・・・ぶっ殺してやる!」
「待て!お前らしくもないぞ・・・・多分・・・渡辺の容態によっては・・・」
「でも・・きっと渡辺・・・俺らの代わりにやられたんですよ!鬼クマに・・・」
「ああ・・多分そうだろうが・・・熊田・・・熊田教官は今・・・謹慎中だ・・・」
「そんなもんで済みませんよ!綾瀬川に浮かべてやる・・・・」
「まあ・・待て!」
「だって・・・兄さん。あいつ・・・俺・・・キー先生に頼まれていたんです。心臓弱いからって・・・」
「解っている。とにかく・・・あいつのために・・・祈ってやれ・・・いいな!」

渡辺は小学校の時・・心臓の弁を取り換えていたのだ。だから・・・無茶をさせてはいけない身体だったのに・・・
幸い・・・早い救命措置によって・・渡辺の命は助かった。
だが・・・渡辺の両親は烈火のごとく怒っている。そりゃそうだ・・・教育ではなく・・・あれはれっきとした弱いものいじめ。その日は午前中で授業が打ち切られ・・・緊急職員会議が開かれることになった・・・
もちろん「休日」だったはずの美希も呼び出されることに・・・
そして・・・僕たちのクラス全員。鬼クマへの集団暴行についても・・・議論されることになった。

「部長!済んじまったことは仕方がないよ!それより・・・静香でパワーランチ喰いながら鬼クマにどんな仕返しするか考えようぜ」
「ああ!解った!景山二世にしてやるからな・・・あいつ。」
「勿論だ。だけど・・渡辺大丈夫なのかな・・・・」
「そうだな・・・俺たちの元気の一割でも分けてやれればいいんだけど・・・」

僕たちは喫茶静香のドアを開け・・・怒鳴った!

「静香さぁ~ん。パワーランチ。特大大盛りで・・・12個ぉ~」


「僕たちの・・・トルコ行進曲」 第12話へ・・・続く・・・・
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