嘘の様な本当の話。孤独死。VOL4 「見積と交渉と私」 [不動産の真実 オーナーは見た。]
VOL4 「見積と交渉と私」
ご遺体が発見されて、約4か月が過ぎた。
「あちゃぁ~」と叫んで、正月ボケが治った。
結論から話せば、保険金はあまり貰えない。賃料ベースで約3年分。
今回の被害額は、10年分だから、7年分の赤字になる。
一応、自分の方の保険は決着してしまったので、
居住者が加入していた保険会社に「借家人賠償」云々で
交渉する様に管理会社の担当課長に頼んだ。
如何せん、居住者が悪かった。悪かったと言うのは、「属性」であって、
人柄ではない。
腹違い。つまりお母さんが異なる妹さんは、ご遺体は引き取ってくれたけど、
相続は放棄を勧めた。
何故なら、ご遺体になった入居者は、「生活保護受給者」。
つまり、資産があるわけもなく、財産もない。所謂、負債しかないわけで、
民法で言う。「借りたときと同じ姿」に返さなければいけない。
死臭が漂う部屋から、死臭を取り除き、貸せる様にして返してもらわねば
ならない。
最終的に出てきた金額が、賃料10年分と言うわけだ。
設備業者さんと交渉をしても無駄。それだけのお金を払わねば、
死臭の漂う部屋はそのままなのだ。
そこで考えたのは、「金融機関さえ納得してくれたら・・・」
その部分の解体だけ行って、後は空室状態で・・・・
これだと、入ってくるであろう。保険金でも出来る。
でも・・・「社長!直しますよよね?」
「だよねえ~まあ、特損立てるけど・・・いいよね?」
今回の分。つまり、本来なら、ある一定の金額を超えれば
減価償却にする。減価償却期間は、15年。
ところが、今回は通常の使用でも通常の退去でもない。
ましてや、直さなくてもいい。つまり、アップグレードでもない。
不測の事態にあたるので、工事費=全額経費処理とする。
損害がでれば、その旨を明記することが必要になる。
まあ、こんなこともあるかと、修繕費相当額として、年間480万ほど
定期積立を行ってはいる。
行ってはいるが、出たり入ったり・・・
そのたびに、数か月分の賃料相当額が、修繕費もしくは設備更新として
飛んで行く。
来月には、なんとか「工事費相当額」は貯まる。
保険金は、支払った後にしかもらえないので、一時的に立替が必要なのだ。
現在、自分の方の保険会社とは、交渉が終わった。
孤独死保険=100万+火災保険から、その他損害で40万ほどが出るらしい。
後は、死後、エアコン(暖房)の魔の手により、腐敗が進んだのであろう
ご遺体はとっくに「骨」になっていると聞く。
そこで、市役所への求償をしてみたが、「払わない」どころか、
すでに払ってきていた「1月分賃料」の返還を求めてきた。
多分、この話は、廻っているはずなので、益々、生活保護受給者は、
民間物件には住みづらくなるだろう。
現に、私の管理会社は、「もう貸しません!」と憤っている。
先月末、さすがに死臭が漏れ始めているので、解体に着手してもらった。
床も天井も壁も全てのもの。つまりキッチンヤトイレ洗面台にお風呂。
全てのモノを「ここに残すな!」と頼んだ。
まあ、玄関と窓ガラスは仕方がないとして、確か昨年変えたエアコンも、
全て処分になった。
この連休が始まる前には、全て「産業廃棄物」として、搬出が終わった。
後は、この「骨」になった元入居者が加入していた保険会社との交渉になる。
少額保険は、支払いが悪い。
まあ、最悪。法律家(弁護士)を雇って、相続人はいないわけなので、
一応、確認はするけど、「死人」相手に訴訟で白黒つけることになるのだろう。
そうなると・・・もう一本の訴訟案件を抱えることになる可能性はある。
あと・・某大手損保時代の先輩に頼んでいる「孤独死保険」の増額を依頼した。
しかし、あの日から今日現在で、4か月経過しているけど、私は未だ
その場所へは行っていない。
因みに、孤独死=事故物件にはならない。
事故物件=自殺・他殺であって、自然死は含まれない。
含んでしまったら、事故物件だらけになってしまう。
そう言えば、ある大きい組織の「出店」に近いアパートで、
その大きい組織に勤務するA氏が首を括っていたと聞いたことがある。
「へえ~その時誰が発見したの?」
「婚約者の女性の方らしいですよ・・・」
「えっ!そいつは・・・ちょっと・・・」
「ですよねえ~ご家族に連絡が行って・・・」
「お宅(不動産屋)には?」
「それがですねえ~半年後に親族が解約に来て・・・」
「そりゃそうだよね・・・本人は永遠の旅だし。」
「で・・理由を尋ねて判ったんです。」
こんなのもある。
ある年だった。不動産会社のオーナーから物件を預かるセクションの
ある女性担当者。1年に3回。首括り2件に飛び降り1件。
お祓いに行ったら、収まったらしい。
VOL5「最後はどうする?」に続く。
ご遺体が発見されて、約4か月が過ぎた。
「あちゃぁ~」と叫んで、正月ボケが治った。
結論から話せば、保険金はあまり貰えない。賃料ベースで約3年分。
今回の被害額は、10年分だから、7年分の赤字になる。
一応、自分の方の保険は決着してしまったので、
居住者が加入していた保険会社に「借家人賠償」云々で
交渉する様に管理会社の担当課長に頼んだ。
如何せん、居住者が悪かった。悪かったと言うのは、「属性」であって、
人柄ではない。
腹違い。つまりお母さんが異なる妹さんは、ご遺体は引き取ってくれたけど、
相続は放棄を勧めた。
何故なら、ご遺体になった入居者は、「生活保護受給者」。
つまり、資産があるわけもなく、財産もない。所謂、負債しかないわけで、
民法で言う。「借りたときと同じ姿」に返さなければいけない。
死臭が漂う部屋から、死臭を取り除き、貸せる様にして返してもらわねば
ならない。
最終的に出てきた金額が、賃料10年分と言うわけだ。
設備業者さんと交渉をしても無駄。それだけのお金を払わねば、
死臭の漂う部屋はそのままなのだ。
そこで考えたのは、「金融機関さえ納得してくれたら・・・」
その部分の解体だけ行って、後は空室状態で・・・・
これだと、入ってくるであろう。保険金でも出来る。
でも・・・「社長!直しますよよね?」
「だよねえ~まあ、特損立てるけど・・・いいよね?」
今回の分。つまり、本来なら、ある一定の金額を超えれば
減価償却にする。減価償却期間は、15年。
ところが、今回は通常の使用でも通常の退去でもない。
ましてや、直さなくてもいい。つまり、アップグレードでもない。
不測の事態にあたるので、工事費=全額経費処理とする。
損害がでれば、その旨を明記することが必要になる。
まあ、こんなこともあるかと、修繕費相当額として、年間480万ほど
定期積立を行ってはいる。
行ってはいるが、出たり入ったり・・・
そのたびに、数か月分の賃料相当額が、修繕費もしくは設備更新として
飛んで行く。
来月には、なんとか「工事費相当額」は貯まる。
保険金は、支払った後にしかもらえないので、一時的に立替が必要なのだ。
現在、自分の方の保険会社とは、交渉が終わった。
孤独死保険=100万+火災保険から、その他損害で40万ほどが出るらしい。
後は、死後、エアコン(暖房)の魔の手により、腐敗が進んだのであろう
ご遺体はとっくに「骨」になっていると聞く。
そこで、市役所への求償をしてみたが、「払わない」どころか、
すでに払ってきていた「1月分賃料」の返還を求めてきた。
多分、この話は、廻っているはずなので、益々、生活保護受給者は、
民間物件には住みづらくなるだろう。
現に、私の管理会社は、「もう貸しません!」と憤っている。
先月末、さすがに死臭が漏れ始めているので、解体に着手してもらった。
床も天井も壁も全てのもの。つまりキッチンヤトイレ洗面台にお風呂。
全てのモノを「ここに残すな!」と頼んだ。
まあ、玄関と窓ガラスは仕方がないとして、確か昨年変えたエアコンも、
全て処分になった。
この連休が始まる前には、全て「産業廃棄物」として、搬出が終わった。
後は、この「骨」になった元入居者が加入していた保険会社との交渉になる。
少額保険は、支払いが悪い。
まあ、最悪。法律家(弁護士)を雇って、相続人はいないわけなので、
一応、確認はするけど、「死人」相手に訴訟で白黒つけることになるのだろう。
そうなると・・・もう一本の訴訟案件を抱えることになる可能性はある。
あと・・某大手損保時代の先輩に頼んでいる「孤独死保険」の増額を依頼した。
しかし、あの日から今日現在で、4か月経過しているけど、私は未だ
その場所へは行っていない。
因みに、孤独死=事故物件にはならない。
事故物件=自殺・他殺であって、自然死は含まれない。
含んでしまったら、事故物件だらけになってしまう。
そう言えば、ある大きい組織の「出店」に近いアパートで、
その大きい組織に勤務するA氏が首を括っていたと聞いたことがある。
「へえ~その時誰が発見したの?」
「婚約者の女性の方らしいですよ・・・」
「えっ!そいつは・・・ちょっと・・・」
「ですよねえ~ご家族に連絡が行って・・・」
「お宅(不動産屋)には?」
「それがですねえ~半年後に親族が解約に来て・・・」
「そりゃそうだよね・・・本人は永遠の旅だし。」
「で・・理由を尋ねて判ったんです。」
こんなのもある。
ある年だった。不動産会社のオーナーから物件を預かるセクションの
ある女性担当者。1年に3回。首括り2件に飛び降り1件。
お祓いに行ったら、収まったらしい。
VOL5「最後はどうする?」に続く。
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